小型車も超高張力鋼板を使わないと、燃費規制と衝突安全への対応が難しくなった。小型車へのホットスタンプの適用で先行してきたホンダをトヨタ自動車が追い上げる。マツダはコスト抑制を重視して、より強度が高い冷間プレス材の使用に軸足を置く。三菱自動車の新興国向け車両は、高張力鋼板の使い方で独自色を打ち出す。

 予防安全システムの標準搭載などが進み、小型車の質量は増える方向にある。車両質量の増加は、世界の燃費規制への対応を難しくすることに加えて、「低燃費」という小型車の商品力を低下させる。

 また、小型車は衝突事故時の乗員の被害が、中大型車よりも大きくなりやすい。中大型車と同水準の衝突安全性が求められる。小型車のボディーも引っ張り強さが1.5GPa級以上の超高張力鋼板を使わないと、燃費規制と衝突安全規制への対応が難しくなってきた。

 小型車への超高張力鋼板の適用で先行するのはホンダである。2013年発売の現行「フィット(3代目)」のボディー骨格に、1.5GPa級の超高張力鋼板の熱間プレス材(ホットスタンプ)を採用した。

 先行するホンダを、トヨタ自動車が追い上げる。トヨタは2020年2月中旬発売の小型車「ヤリス」(現ヴィッツ)のボディー骨格に、2.0GPa級のホットスタンプを適用する。

 マツダはコスト抑制を重視する。コスト増加の要因となる1.5GPa級ホットスタンプの骨格への使用は必要最低限にとどめ、より強度が高い超高張力鋼板の冷間プレス材の適用に軸足を置く。

 一方、新興国で造るクルマは現時点では、980MPa級以下の高張力鋼板の使用が中心になる。超高張力鋼板を現地で調達して骨格を造る体制が整っていないためである。そこで、三菱自動車の小型SUV(多目的スポーツ車)「エクリプスクロス」や中型SUV「アウトランダー」は、980MPa級以下の冷間プレス材の使い方に知恵を絞る。

 ここからは、各社の最新ボディーについて、超高張力鋼板の使い方を中心に見ていく。

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