中国で電気自動車(EV)のスタートアップが続々と登場している。50社とも60社とも言われる新興勢が注力するのは車両開発ではない。サービスや自動運転などクルマとしての魅力を高める取り組みで、立ち位置を確保する。トヨタ自動車が提携を持ちかけた奇点汽車をはじめ、有望株の4社を現地取材した。

 環境規制の追い風を受けて、EVを手掛ける新興メーカーが次々に登場している。特に、2019年に「NEV(New Energy Vehicle)規制」の導入が始まった中国では、数十社のEVスタートアップが乱立する注1)。電動車両向けの補助金狙いのメーカーが多く、淘汰されるものもあるが、将来性を見込める企業もある。

注1)NEV規制は、EVやプラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)の生産・輸入を一定割合で義務付けるもの。エンジン車の生産台数にある係数(要求比率)をかけて求めたクレジット(生産枠)で管理する。NEVクレジットの要求比率は、2019年に10%、2020年に12%。達成できなければ、他社からクレジットを購入しなければならない。さらに、燃費規制を満たしていない車種の販売が禁止される可能性もある。

 期待を集める企業には2つの共通がある。まず、「EVとして売らない」戦略を採ることだ。消費者のパワートレーンへの関心は低い。自動運転やサービスなど、クルマとしての魅力を高める取り組みに注力する。

 もう1つは、生産面を中心に既存の自動車メーカーの協力を取り付けていることだ。自前主義を貫く米テスラ(Tesla)は量産時につまずいた。中国のEVスタートアップは経験とスピードを、既存の自動車メーカーを利用して獲得した。EVスタートアップと付き合う自動車メーカーにも利点はある。最も大きいのが、NEV規制をクリアするために必要なクレジット(生産枠)の確保だろう。

 スタートアップが開発するEVは、販売価格を抑えてサービスで収益を得るものと、“ポストTesla”を狙う高級路線に大別される。

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