一気に世界最大の電池メーカーに上り詰めた中国・寧徳時代新能源科技(CATL)。電気自動車(EV)の心臓部を握る同社に、世界の自動車メーカーが群がる。供給先を選べる立場にあるCATLは、電池セルメーカーからの脱皮を狙って動き始めた。100GWh超の量産規模を確保してコストを50ドル/kWhまで下げつつ、EV開発の領域に進出する。

 「トヨタまで電池が回ってこないかもしれない」─。EV向けの車載電池の動向に詳しい関係者はこう予測する。中国の電池メーカーであるCATLのリチウムイオン電池を巡る調達合戦が過熱してきた。40社超の自動車メーカーがCATLの電池に群がる。

 トヨタにとってCATLはあくまで、中国・比亜迪(BYD)や東芝などと並ぶ電池の調達先の1つという位置付けである(図1)。1社に依存すると調達が不安定になる上、価格交渉で優位に立てないからだ。同様の悩みは多くの自動車メーカーが抱えるが、特に中国では「CATL以外に選択できる電池がほとんどない」(ある日系自動車メーカーの中国担当役員)のが実情である(別掲記事参照)。

図1 CATLなどからの外部調達が必要になったトヨタ
2019年6月に開いた説明会で公開した図。トヨタを中央に配置することで主導権を握る姿勢を強調したが、 40社以上の自動車メーカーが群がるCATLから電池を調達するのは容易ではない。(出所:トヨタ自動車)
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 CATLは2011年の創業ながら、「中国政府の力強い後ろ盾」(同社幹部)もあり、巨額投資を実施して一気に増産体制を構築した。経営も安定している。2018年の売上高は前年比48.1%増の296億元(1元=16円換算で4736億円)で、純利益は33億8700万元(約542億)。利益率は34%超と好調そのものだ。

 一気に世界最大の電池メーカーに上り詰め、供給先となる自動車メーカーを選べる立場を築いたCATL。更なる成長に向けた同社の基本戦略は、電池セルの“標準品”を用意して複数の電池メーカーに供給することである。狙いは2つある。1つは電池のコストを下げること。もう1つは、自動車部品大手の「メガサプライヤー」のような存在になることだ。

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