イスラエル・モービルアイ(Mobileye)や自動車メーカーによるデータ活用の動きは、部品メーカーにとって新市場をつかむ絶好の機会となる。コネクテッドカー部品やサービス、データ収集技術など、様々な提案が出てきた。既存の技術をどう活用するか、部品メーカーは知恵を絞る。

 コネクテッドカーから収集するビッグデータを加工して価値を生む“データ錬金術”。イスラエル・モービルアイ(Mobileye)や自動車メーカー、ITサービス事業者などが入り乱れて開拓を急ぐ新市場に、部品メーカーも参戦する。

 「コネクテッドカー市場は大きなビジネスチャンスに突入した」。パナソニック北米法人Chairman and CEO(最高経営責任者)のトーマス・ゲッパート(Thomas A. Gebhardt)氏が語るように、部品メーカーにとっても大きなチャンスが訪れている注1)。コネクテッドカー部品やサービス、データ収集技術を売り込もうと、様々な提案が出てきた。

注1)パナソニックは、米ハーレーダビッドソン(Harley-Davidson)が2019年8月に市場投入する電動バイク「LiveWire」に通信機器やコネクテッドサービスを提供する。電池残量や航続距離、充電完了までの時間などの情報を、スマートフォンのアプリで確認できるようにする。

 部品メーカーによる提案内容は、(1)データを価値に変えてサービスに使えるようにする、(2)自動車メーカーによるデータ収集を支えることに大別できそうだ。

 部品メーカー自らがデータサービスを展開する選択肢もあるが、「自動車メーカーやサービス企業がデータを手放してくれないので現実的には難しい」(ある日系部品メーカーの幹部)という。まずは裏方に徹しつつ、“ゴールドラッシュ”の波に乗る。

“空気がきれいなルート”を提案

 データを価値に変えてサービスに使えるようにする取り組みで共通するのは、既に部品メーカーが持つ技術や部品を活用することだ。

 例えばフランス・ヴァレオ(Valeo)は、大気汚染情報を提供するサービスを提案する(図1)。車載の空気センサーで収集したデータをクラウドに蓄積し、“空気がきれいなルート”を案内する機能を実現した。「複数車両の空気センサーや公共データから得られる情報から、道路ごとに大気の状態を把握できるようにした」(Valeoの担当者)という。

図1 Valeoが開発した大気汚染情報を提供するサービス
車両に搭載した空気センサーや公共データから得られる情報から大気汚染の状況を把握する。
[画像のクリックで拡大表示]

 Valeoはデータサービス機能の検証を、フランス・パリ市と共同で実施した。市街地での大気の汚染レベルをリアルタイムで把握し、地図上に表示できることを確認した。エリアや時間ごとの汚染度を把握できたという注2)

注2)Valeoは、大気汚染の予測アルゴリズムをフランスのアリア・テクノロジーズ(ARIA Technologies)と共同で開発した。

この先は有料会員の登録が必要です。「日経Automotive」定期購読者もログインしてお読みいただけます。今なら有料会員(月額プラン)が4月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら