2019年から21年にかけて、主力市場の中国、欧州で環境規制が強化される。ルノー(Renault)は中国市場でAセグメントの電気自動車(EV)を投入する。電動化で遅れたグループPSA(Group PSA)も、BセグメントのEVで巻き返しを狙う。小型EVで攻めるフランス勢。“手頃な価格”を実現できるかが勝敗を決める。

 中国で2019年から始まるNEV(New Energy Vehicle)規制と、欧州で2021年から始まるCO2排出規制。これらを念頭に置いた欧州自動車メーカーの電動化戦略が本格的に動き出した。フランスのルノー(Renault)やグループPSA(Group PSA)はA、Bセグメントの小型車を中心に電動化を進める。一方、ドイツのフォルクスワーゲン(Volkswagen、VW)、ダイムラー(Daimler)、BMWはCセグメント以上の高級車で利益確保を狙う。

 「我々は電気自動車(EV)分野のパイオニアであり、リーダーだ」-。Renault会長兼CEOのカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)氏は、2018年10月の「パリモーターショー2018」で力説した(図1)。同社はすでに5車種のEVを市場に投入しており、欧州では「EVの3台に1台がRenault製」(同氏)と主張している。EVの累計販売台数はRenault単体で17万台、Renault・日産自動車・三菱自動車のアライアンスでは60万台に達する。今後、アライアンスを通じて2022年までに12車種のEVを発売する計画だ()。

図1 Renaultの小型EV「K-ZE」
AセグメントのSUV で、2019年に中国市場に投入し、その後全世界で販売する。(写真:Renault)
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表 電動化や自動運転に関する各社の目標
Renault・日産・三菱は2022年までに12車種のEV、40車種の自動運転車を発売する。PSAは2021年までに7車種のEVを発売し、2023年までに完全自動運転を実現する。
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 EVの主戦場は中国である。中国では2017年に前年比80%増の47万台のEVが売れた。Renaultは中国で9車種の新型乗用車を投入するが、そのうち3車種をEVにする。パリモーターショーではその第1弾のEVとなるAセグメントのSUV(多目的スポーツ車)「K-ZE」を発表した。2019年に中国市場に投入し、その後全世界で販売する。K-ZEを皮切りに2022年までに年間55万台のEVを中国市場で売る計画である。

 Renault・日産・三菱アライアンスと中国・東風汽車(Dongfeng Motor)グループの合弁会社である中国eGT New Energy Automotive(eGT)が開発・生産することでコストを抑える。電池容量やモーター出力などは明らかにしていないが、航続距離はNEDC(New European Driving Cycle)モードで250kmと短い。「このクラスでは最高水準だ」(Ghosn氏)と説明するが、価格を抑えるための苦肉の策ともいえる。

 肝心の価格は明らかにしていないが、2万ユーロ以下との見方が多い。逆に2万ユーロ以上なら、VWなどの競合EVの方が航続距離が長いからだ。

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