200年前に金属加工メーカーとして産声を上げたプジョー(Peugeot)。現在は欧州で首位を争う大手自動車メーカー、グループPSA(Group PSA)に成長した。電動化で出遅れていた同社だが、2019年から新型車のすべてに電動車を設定する戦略を打ち出した。カーシェアリングサービスを足がかりに、北米市場への再参入も狙う。

 フランス・グループPSA(Group PSA)が電動化に大きく舵を切った。2019年から新型車のすべてに電気自動車(EV)またはプラグインハイブリッド車(PHEV)を設定し、2021年までに7車種のEVと8車種のPHEVを発売する。2025年にはすべてのモデルに電動車を設定する。同社はもともとディーゼルエンジンが強みだったが、ドイツ・フォルクスワーゲン(Volkswagen、VW)のディーゼル不正事件をきっかけに顧客のディーゼル離れが進み、電動化への注力を決断した。

 同社の主力は小型車であり、利幅の大きい高級車を中心に電動化を進めるドイツ勢とは状況が異なる。電動車のコストを削減できなければ、利益を出すのは難しい。同社にとっては大きな賭けとなる。

 ただ、同社はコスト削減では優れた一面を持つ。米GMの欧州子会社で長年赤字が続いていたドイツ・オペル(Opel)を買収し、プラットフォームの共通化によるコスト削減で収益化した。Opelおよび英国ブランドのボクスホール(Vauxhall)部門は一時費用控除前の営業利益率が2017年8~12月の-2.5%から、2018年上期(1~6月)には+5.0%に改善した。「この値は一部の日本の自動車メーカーよりも高い」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券シニアアナリストの杉本浩一氏)。

 Group PSAの2018年上期は、売上高が前年同期比40%増、営業利益は同18%増と、荒れ模様の欧州勢の中では数少ない好決算だった(図1)。同社は他社との資本提携を通じて市場を拡大し、先端技術を取り込む一方、コスト削減や伝統のデザインを強みに次世代への展開を図っている。

図1 PSAの躍進が目立つ
欧州勢の2018年上期(1~6月)決算は全体的に低調だったが、その中でPSAは売上高、営業利益とも大幅に伸ばした。各社の決算資料を基に編集部が作成。
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