安全技術に力を入れていることで知られる自動車メーカーのVolvo。新型ワゴン「V60」の日本での発表に合わせて、同社のセーフティ・センターでディレクターを務めるJan Ivarsson氏が来日した。新型V60で初搭載となった安全機能や、2020年までに死亡者・重傷者ゼロという目標に向けた取り組み、レベル3を飛ばしてレベル4の自動運転機能の開発を進める背景について聞いた。

新型ワゴン「V60」。逆走してくる4輪車との衝突による被害を自動ブレーキで軽減する機能を世界で初めて搭載した。
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新型V60では、逆走してくる4輪車との衝突による被害を自動ブレーキで軽減する「City Safety-対向車対応機能」を世界で初めて実現した。この機能の開発では、どんな課題があり、どう解決したのか。

 今回のV60では、City Safetyというコンセプトの中に、衝突回避や衝突軽減といったさまざまな機能を盛り込んでいる。その中で重要なのは、何をもってプラス効果とするのか、誤検知による介入と見なされないためにはどうすべきか、といった点である。逆走車に対する衝突被害軽減の難しさでは、逆走車が近づいてくることをどの段階で検知しどのタイミングで介入すべきか、ということである。

 本来であれば運転者が自らその状況を判断して運転しなければならないところを、もし早い段階で介入すると、運転者のいらつきや、思わぬ事故を招くことにつながる。あくまでも運転者が責任を持って運転しなければならない。どの段階で運転者が対応できないと判断し自動機能を発動させるかが一番難しい。そのためには、通常の走行運転がどういうものかを理解することが重要になる。

ヤン・イヴァーソン。スウェーデン出身。1984年、Volvo入社。2014年から現職。入社から30年間、安全性の研究開発や安全運転技術の開発に関わる。
(写真:加藤 康)
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そうしたタイミングをどう判断しているのか。相手の車両が同じ方向に走っている場合と逆走してくる場合では基準は異なるのか。

 (同方向に走っている場合も逆走してくる場合も)いつの段階で自動でブレーキを作動させるのか、いつの段階で自動でステアリングを切るのかといった基準は同じだ。ただ、反応するときの計算式が違う。同じ車線で同じ方向に走行している先行車に対しての衝突時間と、ドリフト(横滑り)によって本来の車線からはみ出てしまった逆走車に対しての衝突時間では、先行車は遠ざかる方向に、逆走車は近づく方向に移動しているため、計算式が異なる。例えば、ドリフトして車線が変わってしまったクルマの場合、介入のタイミングは先行車に対する場合よりも早くなる。

 ただ、もう一つ重要なことは、運転者が自らの判断で例えばステアリングを切ったら、それが全てに優先されるという点である。

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