写真提供:Messe München
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2年に一度、ドイツ・ミュンヘンで開催される国際イベント「electronica」。electronica 2018(2018年11月)は、前回(2年前)と比べて、出展社数が5%上昇し、3000社を超えた。展示会場の面積は28%増の18万2000m2。全部で17ホールを使う大規模な展示会にふさわしい広範なテーマの展示や講演が目白押しだった。

 「electronica」は電子部品や半導体などをテーマにした大規模な展示会で、日本に類似を求めれば、「CEATEC」になる前の「エレクトロニクスショー」に近い内容である。そのエレクトロニクスショーがCEATECになって電子部品や半導体の展示が減り、CEATECも最近はITサービスの展示が増えるといった具合に変容しているのとは対照的だ。

 今回の重点テーマは、自動車、サイバーセキュリティー、組み込みシステム/センサー技術、メディカルエレクトロニクス/ヘルスケア、IoT(スマートシティやスマートファクトリーを含む)と、新たに加わったスマートグリッド/スマートエネルギーおよびAI(人工知能)である。

自動運転時代のヘッドライト
1000チップ超のLEDアレー

 ドイツOSRAM Opto Semiconductorsは、1024(32×32)ピクセル分のLEDチップをアレー状に並べたヘッドランプ向けLED「Eviyos」を出展した(図1)。1ピクセル分のLEDチップは極めて小さいことから、車載カメラで認識した外部環境の状況に応じて細かな点滅制御を行うヘッドランプを、小型に実現できるのが特徴である。ドライバーICを集積しているので、ピクセルごとに独立して点滅を制御できる。

(a)デモの様子
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(b)投射側
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図1 自動運転時代のヘッドランプ向けLEDアレー
OSRAM Opto Semiconductors の展示から。1024ピクセル分のLEDチップをアレー状に並べた「Eviyos」(a)。LEDランプは4個ある(b)。(撮影:日経 xTECH)

対向車や歩行者にやさしく

 運転手がステアリングを切った方向を照射する「AFS(Adaptive Front-Lighting System)」や、対向車や歩行者などをまぶしくさせないように配光を細かく制御する「ADB(Adaptive Driving Beam)」に対応したヘッドランプでの利用を想定する。対向車が近づいてくると、対向車の運転手の目が眩まないように、いくつかのピクセルを消灯する。

 歩行者に直接強い光が当たらないように、歩行者を避けて光を照射することも想定している。「自動運転時代になると、ドライバーが周囲にあまり注意を払わなくなる。そのため、こうした外部環境を認識して、ヘッドランプを細かく制御する技術は重要になる。特に歩行者に配慮しないといけない」(説明員)という。

ドライバーICを集積

 Eviyosは、OSRAMグループの他、Fraunhofer-GesellschaftやドイツDaimlerなどが参画し、2016年秋に完了した「µAFS」プロジェクトの成果を基に開発したものである。現在、開発キットを含めてサンプル出荷中で、「2019年1月に製品化を正式にアナウンスする予定」(説明員)である。早ければ、2019年内に量産するもよう。

 µAFSプロジェクトの最大の成果は、LEDチップとドライバーICをウエハーレベルで集積化したことにある。MOCVD法で作製した青色LEDチップ(蛍光体と組み合わせて白色にする)と、CMOSプロセスで作製したドライバーICを集積(接合)させる。今回のEviyosは、この技術を利用したとみられる。

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