日本精工(NSK)が開発した2段変速のできる駆動モーターの3回目。実際に試作し、動作や性能を確認した。各段とも狙い通りに動作し、滑らかに変速することが分かった。同社はこのモーターを構成する部品を生産し、モーターメーカーや自動車メーカーに供給することを目指す。

 NSKは2段変速のできる駆動モーターを開発した。二つのモーターと遊星歯車機構を使った変速機を組み合わせる。モーターを同じ方向に回すと高速段、逆方向に回すと低速段に切り変わる。用途としてイン・ホイール・モーターを想定し、試作した(図1)。電源電圧は400V、最高出力は25kW、最大トルクは低速段が850N・m、高速段が400N・mだ。これを試作車に載せて性能を確認した(図2)。

図1 NSKが試作したイン・ホイール・モーター
二つのモーターを軸方向並べて配置しており、その中心部に変速機がある。ハブ、アームのピボット、ばね座などを一体化した。
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図2 イン・ホイール・モーターを搭載した試作車
モーターの車両内側への突き出し量は最小限に抑えられている。車両の最高速度は135km/h。車両後部に搭載した白い箱が「Tandem-AutoBox」である。
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 試作車は中央にあるメインフレームと前後にあるサブフレームを分離でき、イン・ホイール・モーター以外の電動駆動装置や電動パワーステアリングなどの実験にも対応できる汎用的なもの。イン・ホイール・モーターのインバーターは前部サブフレームの中に置き、電源制御装置は座席の背面に置く。イン・ホイール・モーターは前輪左右にそれぞれ取り付ける。

 試作車はドイツdSPACEの「Tandem-Auto Box」で制御する。AutoBoxはアクセルペダル開度や前進/後退を切り替えるスイッチの状態、低速段/高速段を切り替えるスイッチの状態などから、トルク指令値や速度指令値を計算して2台のインバーターに制御信号を送信する。インバーターはモーターAとモーターBを個別に制御する。電源制御装置がインバーターに定格400Vの直流を供給し、インバーターで交流に変換してモーターに流す。電源制御装置は安全を確保するためAutoBoxとは独立させた。各モーターの回転角度と回転速度は渦電流式の角度センサーで検出する。

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