トヨタ自動車は2019年5月、部分改良した「レクサス」ブランドのSUV(多目的スポーツ車)「RX」を発表した(図1)。バンパーやグリルメッシュなどの意匠変更の他、ボディー剛性や利便性を向上させた。中でも注目なのは、新型のLEDヘッドランプとタッチディスプレーの採用だ。

図1 部分改良した「レクサス」ブランドのSUV「RX」
ハイブリッドシステムを搭載したモデルなど、計3種類を用意。価格はエントリーモデルのRX300が497万2000円。最上位モデルのハイブリッド車RX450hLは769万円。(撮影:日経Automotive)
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 トヨタは、先行車や対向車にまぶしい光を照射しないように、ハイビームの照射を制限する「アダプティブハイビームシステム(AHS)」を実用化している。新型RXでは、AHSの配光をより細かく制御する新機構「ブレードスキャン式AHS」のヘッドランプを採用した。ヘッドランプは小糸製作所製だ。

 同機構は、従来のアレイ式とLEDの光の照射方式が異なる。アレイ式はLEDを水平方向に並べて照射する仕組み。個々のLEDを点灯もしくは消灯することで、配光範囲を制御していた。LEDの数が多いほど照射する範囲が細かく設定できる。

 他方、新しい機構のブレードスキャン式は、6000rpmで回転する円盤状の鏡を使いLEDが発した光を照射するのが特徴だ。円盤状の鏡は中心に向かってらせん状に角度が付けてあり、回転している面でLEDの光が反射すると水平方向に移動するように照射する。光の照射位置がリニアに動くので、その動きに合わせて光を付けたり消したりすることで、配光範囲をより細かく設定できる。

 水平方向の分解能はアレイ式が1.5度なのに対し、ブレードスキャン式は0.1度だ。これまでの15倍細かく光を制御できることから、従来方式では認識がしにくくなっていた車や人に対しても、ハイビームを最適に照射できるようになる(図2)。

図2 ブレードスキャン式AHSで細かく照射範囲を設定
ブレードスキャン式AHSは、回転する鏡を使ってLEDの光を水平方向に照射するのが特徴。分解能は0.1度で、細かく照射範囲を設定できる。トヨタ自動車の資料を基に日経Automotiveが作成。
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