自動車の外界センシングに有効なLiDAR(Light Detection and Ranging)の価格が、2016~2017年にLiDARメーカーが期待していたペースでは低下していない()。コストを上昇させる主要な要因のスキャン機構をメカレスにするだけでは不十分で、量産が必要になる。車載での量産実績があるレーダーやカメラとは異なり、初めての車載品となるLiDARでは、出荷増と価格低減は「鶏と卵」の関係になる。

図 価格低減は現実的なペースに
LiDARメーカーの米クアナジー・システムズ(Quanergy Systems)のLiDAR価格のロードマップ。LiDARに対する要求仕様を満たしつつ、価格を急激に低減することは多くのLiDARメーカーにとって難しいようであり、同社の場合に100米ドルを切るのは2025年である。(写真:同社)
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 2016~2017年ごろには、メカレス型で2020年ごろまでに100米ドルを切る見通しがあった。しかし、実際に自動車メーカーが満足するLiDARを開発中のメーカーの直近の見通しは、2025年においても100~数百米ドルである。

 こうした中で顕著になってきたのがレーダーとの競合だ。電波を使う車載レーダーは、元々は物体の形状や種類を認識するほどの分解能を備えていなかったが、この2年ほどの間に1度レベルの高分解能品が提案され始めている。LiDARを代替して外界センシングできるというレーダーもある。光学部品が不要で半導体とプリント基板で実現できる。自動運転向けではないが車載向けに量産中のため、量産初期から数千円の低価格化が可能だ。

 もっとも現時点では0.1度レベルの分解能を備える車載レーダーは見当たらないものの、1度を切るレベルなら時速数十kmの低速域などに走行条件を限定してLiDARを代替できる可能性がある。しかも原理的に測定距離を300mなどに延ばしやすく、雨天などの悪天候の影響を受けにくい。中途半端な性能のLiDARならレーダーで十分という結果になりかねない。低価格化は重要になる。

出典:日経Automotive、2019年11月号 p.39
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

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