目指すは「業界でナンバー1の開発力と安定供給力」。国内トップの自動車メーカーであるトヨタ自動車と国内トップの車載用電池メーカーであるパナソニックが、電気自動車(EV)をはじめとする電動車向けの車載用角型電池で、強力なタッグを組む(図1)。両社は、2020年末までに合弁会社を設立し、「車両の電動化において最も重要な要素」とする先端電池の開発から生産までを一貫して手掛ける。

図1 パナソニックAIS社事業開発部部長の人見健氏(左)とトヨタ自動車パワートレーンカンパニー主査の好田博昭氏(右)
両社は2019年1月、報道陣向けに合弁会社設立の説明会を開催した。
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 新たに設立する合弁会社には、トヨタから約500人、パナソニックから約3000人が移籍する見込みだ。トヨタは、電池セルの開発・生産技術領域の設備・人員を、パナソニックは、車載用角型電池事業の開発・生産・製造・調達・受注・管理に関わる設備・人員・その他資産・負債などを移管する。出資比率はトヨタが51%、パナソニックが49%。合弁会社はトヨタの子会社となる。

 新会社が担うのは、リチウムイオン電池(LIB)、全固体電池、および次世代電池といった最先端の車載用角型電池である。セルとモジュールが対象で電池パックは対象外とする。開発・生産技術・製造・調達・受注・管理を一貫して受け持つが、製品の販売は原則としてパナソニックを通じて実施し、幅広い自動車メーカーへの販売を目指す。

 今回、合弁会社の合意に至ったのは、車載用電池には高い技術力が求められる上、安定供給能力の確保やリサイクルなど多岐にわたる対応が求められており、電池メーカーや自動車メーカーの単独の努力ではそれらを満たすことが難しいため。トヨタからは、電動車のノウハウと市場データ、全固体電池などの先行技術、トヨタ流ものづくりを、パナソニックからは、高容量・高出力電池の技術、量産技術、国内外の顧客基盤を持ち寄る。それにより開発を加速するとともに高品質・低コストの安定供給体制の確立と規模を生かした調達・製造コストの削減を図る注)

注)同じ両社の合弁会社であるプライムアースEVエナジー(PEVE)は、車載用の角型のニッケル水素電池に加えて、ハイブリッド車(HEV)向けにLIBも製造している。今回の合弁会社ではニッケル水素電池は扱わないことに加え、リチウムイオン電池については、PEVEはHEV用の高出力タイプ、今回の合弁会社はEV用の高容量タイプとすみ分けるという。

 車載用角型電池事業でパナソニックに残るのは、円筒形リチウムイオン電池の事業。さらに、車載用の円筒形と角型で共通の要素技術の研究・開発については、パナソニックに残すという。

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