日産自動車は、体積を現行品に比べて1/3未満に小型化したインバーターを開発した(図1)。パワーモジュールに炭化ケイ素(SiC)を採用し、電気自動車(EV)への搭載を見据える。SiCはスイッチング損失が少なく、冷却システムを小型化できるため、日産は「荷室スペースの拡張する上で重要な技術」(同社の担当技術者)と位置付ける。

図1 日産が試作したSiCインバーター
体積が2.9Lと小さい。最高出力が80kWまでのモーターに対応する。電池からの入力電圧は360Vまで扱える。(出所:日産)
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 試作品の概要を、2018年10月初旬に開催した電動車両関連のシンポジウム・展示会「The 31st International Electric Vehicle Symposium and Exhibition」(EVS31)で発表した(別掲記事参照注1)

注1)日産総合研究所EVシステム研究所の下村卓氏が、「Silicon Carbide Inverter for EV/HEV Application featuring Open-loop Drive Circuit Technology for Low Switching Loss and Surge Voltage Reduction」のタイトルで講演した(講演番号はC5-03)。

 今回日産が発表したSiCインバーターは、次世代の電動車両に欠かせない部品である。SiCの実用化で先行するのはホンダで、2016年に発売した燃料電池車(FCV)「クラリティフューエルセル」の主モーターの駆動回路における昇圧部に、SiCダイオードを採用した。

 トヨタ自動車は2020年ごろの実用化を計画する。トヨタと開発を進めるデンソーは、体積を5Lまで小型化したSiCインバーターを試作済みだ。SiCにすることで、「従来のSiに比べて素子の電力損失を約1/3に低減し、インバーターの体積を約1/2に減らせる」(デンソー)。

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