2019/05/10 05:00
高橋 厚妃=日経 xTECH/日経デジタルヘルス

 再生医療等製品は、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」で定義されている。ヒトや動物由来の細胞に培養や加工などを行ったもので、身体の構造や機能を再建したり修復したり、形成を促す。疾病の治療や予防を目的として使用する場合もある。他にも、遺伝子治療など、ヒトや動物の細胞に遺伝子を導入して使用するものも含まれる。

 製薬企業やベンチャー企業などは、再生医療等製品の治験を行い、そのデータを基に医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認申請する。PMDAが審査を行い、最終的に厚生労働大臣から承認を得る。その後、保険適用されて実用化される。2019年5月1日時点で、国内で承認されている再生医療等製品は7つ。

(出所:PIXTA)

 患者自身の細胞を利用する「自家」の製品と、他人の細胞を利用する「他家」の製品がある。自家製品の場合は、拒絶反応が起きにくかったり、感染のリスクを抑えられたりするメリットがある。一方で、患者ごとに製品を作ることになるので製造コストが高くなる傾向にある。他家製品は、あらかじめ製品を製造しておけるため、緊急時の治療にも対応できる。同じ種類の製品を自家製品として製造する場合と比較して、製造コストを抑えられる。実用化が先行しているのは自家製品だが、他家製品の実用化を目指す企業が増えている。

 2014年に従来の薬事法が医薬品医療機器等法(薬機法)に改正され、日本で再生医療等製品の開発が活発化した。薬機法では、再生医療等製品に関して条件・期限付承認制度が導入され、企業は開発に要する期間を短縮できるようになった。薬事法では、承認を取得するためには安全性と有効性を証明しなければならなかったが、条件・期限付承認制度では、安全性を確認した上で有効性を推定できる治験のデータがあれば、承認申請できる。

 条件・期限付承認を得た再生医療等製品は、保険適用の対象となる。企業は、条件・期限付承認を取得してから、さらに有効性と安全性を検証し、期限内に再度承認申請を行って承認されれば、引き続き販売できる。

 条件・期限付承認を取得するための治験は、これまでと比較して、より小規模な開発で済む場合が多い。従来に比べて承認を得るまでの期間が短くなり、開発コストの低減にもつながる。このような状況のため、ベンチャー企業などが再生医療等製品の研究開発を手掛ける動きが加速している。また、大学や医療機関の研究成果を製薬企業が実用化するケースが増えている。

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