大規模な自然災害などに備えるため、事前防災や減災、迅速な復旧・復興につながる施策を計画的に実施して、強くてしなやかな国づくりや地域づくりを進める取り組みのこと。2013年12月には「国土強靭化基本法」が成立した。

 11年に発生した東日本大震災の教訓を生かす。従来は大きな被害を受けるたびに、長い時間をかけて復旧・復興を進めてきた。こうした事後対策の繰り返しを避け、今後30年以内に70%の確率で発生すると予測される首都直下地震や同70~80%の南海トラフ巨大地震などに備える。

 同法では7項目にわたる基本方針を掲げた。「人命の保護を最大限に図る」、「国家や社会の重要な機能が致命的な障害を受けず、持続可能なものとなるようにする」という項目のほか、「ソフト面の施策とハード面の施策を組み合わせる」といった項目も盛り込んだ。例えば、水害や津波の対策として河川・海岸の堤防整備を進めると同時に、ハザードマップの作成や活用、避難訓練の実施といった施策も組み合わせる。

 さらに、基本方針には「人口減少やインフラの老朽化などを踏まえ、財政資金の効率的な使用に配慮し、重点化を図る」という財政面に配慮した項目も入る。政府はあらゆるリスクを見据えて45の「起こってはならない最悪の事態(リスクシナリオ)」を提示。そのうち最悪の事態を招かないために、事前に取り組むべき15の「重点化すべきプログラム」を定め、予算配分にめりはりをつけた。

「起こってはならない最悪の事態」のうち、対策を重点的に進める15の事態。地震や洪水といった個別のリスクごとに対応を検討する狭義の「防災」を超えて、まちづくり政策や産業政策も含めた総合的な対策を目指す(資料:内閣官房国土強靱化推進室)
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 18年度当初予算で「重点化すべきプログラム」に充てたのは総額3兆7804億円。うち3兆2916億円を公共事業関係費が占める。

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