橋やトンネルなどのインフラ構造物の健全度や劣化具合を調べるために、コンクリートなどを破壊したり、表面に穴を開けたりせずに、内部の状態を検査する方法。赤外線や弾性波、レーダー、X線、中性子線など、検査の対象とする損傷の種類や範囲に応じて、さまざまな手法が研究、開発されている。

 高度経済成長期に建設された大量のインフラが老朽化するなか、一度に広範囲の情報を把握しやすいという利点を持つ。カメラやセンサーの性能が高まっているのに加え、捉えた画像やデータを人工知能(AI)などで解析する技術の進歩も普及の背景にある。

 赤外線は可視光と比べて波長が長い。物体の表面温度が高くなるほど、放射する赤外線のエネルギーは大きくなる。この性質を利用して、遠隔で温度分布を測るのが「サーモグラフィー法」だ。コンクリートの場合、表面から約5cm以内の浅い位置にある空隙や剥離などを見抜ける。

 赤外線の中でも波長が比較的短い近赤外線を照射して、その反射波から物質の成分や濃度を分析する「分光法」もインフラ点検で採用され始めた。

コンクリート表面に光を当て、反射光のうち近赤外領域の分光スペクトルを使って表面の塩分量を推定する「コンクリート劣化診断システム」。前田建設工業とトプコンが共同で開発した。塩分がコンクリートの内部に浸透すると、鉄筋の腐食につながりやすい(写真:前田建設工業)
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コンクリート表面の塩分量を色分けして表示した例。赤い部分ほど塩分量が多い(資料:前田建設工業)
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