鉄道や港湾、空港といったインフラ施設について、事業化に向けた調査から設計、建設、運営、維持管理までを、政府と民間企業が協力して海外に売り込むこと。新興国の都市開発などの需要を取り込み、国内市場の縮小を補う。2020年に年間30兆円の受注を達成することが目標だ。

インドのムンバイ―アーメダバード間を結ぶ高速鉄道の完成イメージ。設計は日本コンサルタンツ・日本工営・オリエンタルコンサルタンツグローバルJV、一部区間の施工検討業務などを大林組、JFEエンジニアリング、IHIインフラシステム、鉄建建設が担当している(資料:JICA)
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 政府は13年に経協インフラ戦略会議(議長:菅義偉官房長官)を立ち上げ、「インフラシステム輸出戦略」を毎年作成している。戦略に基づき、総理大臣や国土交通大臣が相手国の政府に直接、インフラ技術を売り込むトップセールスで大型案件の受注を目指す。

 相手国がインフラの整備費用を捻出できない場合が多いので、円借款契約を締結したり無償で資金援助したりして開発を進める。政府は16年に「質の高いインフラ輸出拡大イニシアティブ」を取りまとめ、21年までに21兆6000億円(1ドル=108円で換算)を投じると公表した。相手国の政府と民間企業が出資し合う官民連携(PPP)も支援する。

 経協インフラ戦略会議は当初、原子力発電所の輸出を柱の1つに据えていた。だが、事業リスクの大きさなどから民間企業が相次ぎ撤退。その分、鉄道や土木構造物にかかる期待は大きくなっている。

 代表的なプロジェクトがインド高速鉄道の建設だ。インド西部の大都市ムンバイとアーメダバードを南北に結ぶ505kmのルートで、15年にJR東日本の新幹線システムの採用が決まった。中国などとの激しい受注競争を制した。総事業費はおよそ1兆8000億円に上り、そのうち8割程度を円借款で賄う。

 JR東日本の新幹線の運行システムや車両を導入する他、トンネルや高架橋で構成される路線の設計や施工検討には、日本の建設コンサルタント会社や建設会社が参画。23年の全線開通を目指している。

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