CLT(直交集成板)とは「クロス・ラミネイテッド・ティンバー」の略で、集成木材の1種だ。欧州で開発された材料で、繊維方向が互い違いになるように木の板を重ねて接着して厚い板にする。

CLTの構造(資料:日経アーキテクチュア、写真:腰原 幹雄)
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 厚みのある固まりにすることによって、高い強度を出している。大規模な建築物の主要構造部材に木材を適用する際の選択肢となっており、大規模木造建築の普及を図るうえで重要な材料技術となっている。加えて、CLTを用いた建物は施工が簡単になる。そのため、短工期が求められるような現場では採用メリットが大きくなる。

 1995年ごろからにオーストリアを中心に欧州で広まったCLTは、カナダや米国などでも利用が進む。欧米では、CLTを使った高層ビルの建設も既に実現している。例えば、英国・ロンドンでは2008年に、Murray Grove(マレイ・グローブ)と呼ぶ木造を多用した9階建ての高層住宅が世界に先駆けて建設された。1階がRC(鉄筋コンクリート)造、それよりも上階がCLTを用いた木造だ。

英国・ロンドンに立つ高層木造のパイオニア「Murray Grove(マレイ・グローブ)」。CLTを多用した9階建ての集合住宅だ(写真:Will Pryce)
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 この集合住宅では、CLTによる壁体で細かく区画したような構造を採用し、壁や天井を石こうボードで仕上げて耐火性能を確保している。ビルの建設費は386万ポンド(約5億5000万円)に上った。

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