IRとは、Integrated Resortの頭文字を取った略称で、カジノ施設と「観光振興に寄与する諸施設」が一体となった施設群を指す。「カジノを含む統合型リゾート施設」と呼ぶのが一般的だ。国際競争力の高い滞在型観光の切り札として脚光を浴びている。

シンガポールで2011年に開業したIR「マリーナベイ・サンズ」(写真:日経アーキテクチュア)
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 海外では一般化しているカジノを含む統合型リゾート施設を日本でも合法的に導入するための法制度も整ってきた。「IR推進法(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律)」が2016年12月、「IR整備法(特定複合観光施設区域整備法)」が18年7月に国会で成立。さらに、具体的な施設要件を定めた「IR整備法施行令」が19年3月に閣議決定され、順次施行している。

IR(統合型リゾート施設)のイメージ(資料:特定複合観光施設区域整備推進本部事務局)
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 一連の関連法令の整備に伴う「カジノ解禁」を巡っては、治安の悪化やギャンブル依存症の助長などが指摘されてきた。これに対して政府は、カジノ施設と集客施設を法制度上で一体化する「世界初のIR法制度」を軸足に、「日本型IR」を掲げる。国の監視・管理の下で民間が健全なカジノ事業を運営し、その収益を国際競争力の高い滞在型観光の実現や、地域財政の改善に活用することを目指す。

 日本型IRとは何か。政府が示した資料によると、海外のIRを参考に「型破りで、印象的な建築物・空間の創出」と「魅力的なコンテンツの提供」が重要と分析されている。代表例は、シンガポールが国策として11年に開業させた「マリーナベイ・サンズ」だ。開業後には外国人の旅行者数や旅行消費額のほか、ホテル客室数や国際会議開催件数などが急増。国際的な観光拠点として、成功を収めている。

シンガポールのIR開業による経済効果(資料:特定複合観光施設区域整備推進本部事務局)
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