宅配ボックスとは文字通り、宅配された荷物を受け取るための箱だ。集合住宅の1階ロビーや戸建て住宅の玄関ドアの近くなどに設置する。荷物の配達時に留守にしていても、ボックス内に荷物を入れてもらうことで受領できる。当初は集合住宅向けの製品が市場を広げていたものの、最近では戸建て住宅用の宅配ボックスも普及し始めている。

 普及の背景には、インターネットを通じた通信販売の拡大などによる宅配事業者の人手不足がある。宅配効率を高めるために再配達のサービス水準を抑制する宅配事業者側の動きが出ており、不在時にも宅配物を受け取りやすい宅配ボックスに対するニーズが高まっているのだ。

 戸建て住宅の宅配ボックスの有効性が広く認知された取り組みとして、パナソニックが実施した実験が挙げられる。2016年11月から福井県あわら市で共働きの106世帯を対象に実施した取り組みだ。宅配ボックスを設置する前後で、宅配事業者による再配達の割合を確認した。

 設置前の16年10月は総配達数583回のうち、再配達率は49%に達した。ところが、設置後の同年12月~翌17年3月までの間は総配達数2258回のうち、1回での受け取りが47%、宅配ボックス利用が45%となり、再配達率は8%まで削減できた。17年11月から18年1月にかけて京都市内のアパートで同様の実験を行ったところ、再配達率は43%から15%に減った。

パナソニックが福井県あわら市で進めた実証実験の結果を示す。設置前の総配達数は583回で、設置後は2258回。宅配事業者による再配達の割合は49%から8%まで低下した。パナソニックの資料を基に日経 xTECHが作成
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京都市内のアパートで実施された実験に参加した学生は、「再配達してもらうことがストレスになっていた。それがなくなってうれしい」と語っていた(写真:田口 由大)
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京都市内で実施したアパートでの実験では、宅配ボックスの設置によって再配達の割合が43%から15%に減った。117回の配達について、宅配ボックスで受け取った分を、再配達を減らせた分とみなして比べている。左のグラフは、宅配ボックスがなかった場合に想定される結果だ。パナソニックの資料を基に日経 xTECHが作成
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