人やモノの移動を変える「自動運転」。日本やドイツ、米国など世界の自動車メーカーが軒並み開発を進め、ビジネスチャンスを求めて新規プレーヤーがなだれ込む。しかし、完全な自動運転の実現はそう甘くはない――。

ドイツ・ダイムラー(Daimler)の自動運転機能を備えた電気自動車(EV)「Vision URBANETIC」
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自動になると何が嬉しいの?

 自動運転の最大の利点は安全になること。米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が発表した調査データによると、交通事故原因の9割は人間の過失(ヒューマンエラー)が原因だという。代表的なのが「漫然運転」「脇見運転」「運転操作不適」「安全不確認」といった、いわゆるうっかりミスだ。自動運転はこれらのミスを減らすために有効な技術である。

安全なこと以外にもメリットが
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 安全になることに加えて、運転時間を別の時間に充てられる。自動運転化によって利用者は次のようなメリットを期待する。例えば、運転時間を別の時間に充てられること。映画やゲームなどの娯楽を乗員全員で楽しんだり、目的地に着くまでの時間で仕事をしたり、寝たりもできる。車内空間をリビングのような快適な空間に変えるという発想だ。先行車両との距離を一定に保って渋滞を減らす。加減速を抑えて燃費を改善し、維持コストを削減できそうだ。

 乗用車以上に恩恵がありそうなのは、トラックやバンなどの商用車。長時間を無人で走らせることで稼働率を高め、物流事業者は収益の拡大を図る。「深刻な運転者不足」(日野自動車社長の下義生氏)に苦しむ同業界にとって、自動運転はまさに“救いの手”となる。

自動車メーカー各社が実現を目指す自動運転車の例
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