2019年11月27日に開幕したオートメーションと計測の先端技術総合展「IIFES(Innovative Industry Fair for E x E Solutions、アイアイフェス)2019」(東京ビッグサイト)。初日朝イチの基調講演には三菱電機 FAシステム事業本部 名古屋製作所 副所長の都築貴之氏が登壇し、「『DX』×『e-F@ctory』 加速する、ものづくりトランスフォーメーション」と題した講演を行った。

三菱電機 FAシステム事業本部 名古屋製作所 副所長の都築貴之氏
(撮影:安蔵靖志)
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 都築氏はDX(デジタルトランスフォーメーション)が求められるのはデジタライゼーションの帰結として当然の流れだと話し始めた。

 「デジタライゼーションが進んでいろいろなものからデータを収集・発信するようになると、データを活用して変革しようという動きがおのずと発生する。SDGs(持続的な開発目標)のような社会の持続的な開発やグローバル競争の中で勝ち残るためには、これまで以上にデータを積極活用して業務プロセスや事業構造の改革をしていく必要がある。逆に、データを活用した変革が進まないと競争力が低下し、グローバル社会から取り残される可能性につながる」。

 日本の製造業は熟練工の知恵や経験、継続的な現場の改善によって強い競争力を保ってきたが、今後はデータを積極的に活用すべきであり、「日本の製造業のDXには我々が培ってきた人の経験、知恵に加えて、現場のデータ活用を融合することによって業務形態を変革することが求められる」という。

デジタル主導ではなく、現場起点でのDX推進が重要
(出所:三菱電機)
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 DXの実現にはITシステムから現場の業務改革を進める「トップダウン」と、現場の意志を基に変革を進める「ボトムアップ」のパターンがある。「日本は製造立国ならではの現場のノウハウを生かして、現場起点で課題解決や変革が進んできた。現場のことを理解せずにITから変革するより、現場の強みを生かしてITを活用していくボトムアップ型で進めるのが重要だ」と説く。

 三菱電機が2003年から提唱している「e-F@ctory」では当初「見える化したデータを基に、どうやって現場を改善していくアイデアを出し合って改善を進めた」という。その後はデータを分析するようになり、人が気付かない改善の知見を得たり、製造の仕組みをどう改善したりしていくか、エンジニアリングチェーンを含めてどうデータ活用による変革を進めるかというDXのような活動も増えた。その知見や取り組みから取り組みの中で、DXに必要な技術も生まれてきた。それがFA-IT連携技術、制御技術、産業用ネットワーク技術の3つだとする。

満席の来場者で埋まった都築氏の講演
(撮影:安蔵靖志)
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“設計のフロントローディング”で品質を作り込み

 都築氏はe-F@ctoryの活用事例を「設計フェーズ」「製造フェーズ」「保守/メンテナンス」の3つのフェーズ別に解説した。設計フェーズではコストや働き方改革の側面から見てエンジニアリング工数の削減が大きな課題だと語る。解決する手段としてはシミュレーター技術やCADとの連携技術を駆使したデジタルツインの利用が挙げられる。「“設計のフロントローディング”によって設計時間や立ち上げ時間の短縮、品質の作り込みなどをする手法だ」とする。

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