次世代通信規格「5G」ネットワークの早期構築が、世界の都市間競争を勝ち抜く決め手に――。2019年10月10日、「日経 xTECH EXPO 2019」で基調講演した小池百合子都知事は、2020年に開催される五輪後の東京の都市開発やまちづくりについて語り、主要施策として、次世代移動通信システムの整備を挙げた。

世界の都市間競争に打ち勝つためには、5Gのインフラ整備が欠かせないと語る小池百合子東京都知事(写真:中村 宏)
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 講演の冒頭で小池都知事は、五輪以降の都政の基本ビジョンを紹介した。「セーフシティ(安全・安心)」「ダイバーシティ(誰もが生き生き)」「スマートシティ(環境や金融、経済に優れる)」という3つのシティの実現に目標を設定。そのために、「最先端の技術を活用してイノベーションを起こす」と語った。

 イノベーションの柱となるのは、5Gネットワークの構築事業「TOKYO Data Highway」だ。この事業では、「アンテナ基地局の設置に向けて都保有のアセット開放と利用手続きの簡素化」「5G重点エリアの設定」「東京都自らの5G施策の展開」という3つの取り組みを早期に進めて、都と通信キャリアなどが連携する体制を構築する。

 5Gネットワークの構築により、ビッグデータや人工知能(AI)などの先端技術を活用できる基盤が整えば、自動運転やスマート工場など新しいサービスを社会実装する超スマート社会「Society 5.0」を実現できると踏む。

 小池都知事は「世界各国で5G環境の整備が急速に進んでいる。乗り遅れると、来るべきもの、来るべき人、来るべき企業が、東京に来てくれなくなってしまう」と、厳しさを増す都市間競争も絡めて事業の重要性を強調。さらに、1964年の前回の東京五輪に合わせて整備された新幹線や首都高速道路になぞらえて、「今回のオリンピックのレガシーは“電波の道”になる」と語った。