2019年10月11日に行われた「日経xTECH EXPO 2019」の特別講演「ハイパフォーマーの睡眠、そしてSleepTechビジネスの未来」には、ニューロスペース 代表取締役社長の小林孝徳氏が登壇。同社が1万人以上のビジネスパーソンの睡眠を見てきた中で分かった“ハイパフォーマー”に多い睡眠の特徴や、現在注目を集めているスリープテック(SleepTech)ビジネスの現状や今後について紹介した。

ニューロスペース 代表取締役社長の小林孝徳氏
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 ニューロスペースは現在、70社以上の企業向けに睡眠を可視化し、それに対するソリューションを提供するビジネスを行っている。1万人以上の従業員に向けて、シフト勤務や時差ボケ、工場の夜勤などで生じる睡眠トラブルを改善してきたという。

 小林氏は最初に睡眠の重要性について語った。OECD(経済協力開発機構)の睡眠時間調査によると、2018年には韓国からワースト1位を奪い、日本が最も睡眠時間の短い国という結果になった。

 「日本では寝ること自体がサボっている、無駄な時間と考えられているが、寝ている時間には体の中や脳の中で重要な役割がなされている。深い眠りの『ノンレム睡眠』は脳や体を休息させ、成長ホルモンを分泌する重要な時間だ。浅い『レム睡眠』は心を休息させ、記憶を整理する時間となっている」(小林氏)。

睡眠が果たす役割
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 睡眠の問題で生じる経済損失は日本だけで約15兆円と試算されており、GDP(国内総生産)比で見ると約3%にも上る。最近は「健康経営」や「働き方改革」が企業にとって喫緊の課題になっているが、従業員の睡眠を改善することはこうした課題を解決するだけでなく、生産性の向上にもつながるという。

睡眠の問題で生じる経済損失
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 小林氏は一般的なビジネスパーソンの事例とハイパフォーマー、つまり生産性や評価が高い人の事例を挙げ、その睡眠にどのような差があるのかを紹介した。

 ベッドにいた時間、寝ていた時間、眠気を感じた時間をグラフ化すると、それらの特徴の違いが見えてくる。一般的な人はベッドに入ってもなかなか寝付けない状態であったり、スマホをいじってゲームやニュースチェックをしたりと、寝ようとしていない状態の人が多いという。

一般的なビジネスパーソンの睡眠の例。寝床に入ってから入眠までの時間が長く(①)、二度寝している時間なども見受けられる(②)。ベッド以外の場所で寝る(③)のも問題だ。斜線は眠気を感じる時間帯(④)で、週末は寝る時間がずれてしまっている(⑤)
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 ベッドではない場所で寝ている場合などもある。行き帰りの電車の中や、ベッドの前にソファで寝てしまうなどの行動が睡眠を阻害してしまう。眠いときにカフェインを摂取して我慢するといったことも悪影響を及ぼす。また、週末の朝の二度寝などで起きる時間がずれてしまうと、「翌週の月曜日には“ブルーマンデー”といった状態になる」。

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