パルコの林直孝執行役グループデジタル推進室担当は2019年10月11日、東京ビッグサイトで開催した展示会「日経 xTECH EXPO 2019」で「デジタルテクノロジーで変化するショッピングセンターの役割」と題して講演した。自社で取り組んでいるデジタル施策について語った。

パルコの林直孝執行役グループデジタル推進室担当
(撮影:菊池 一郎)

 パルコでは、デジタルテクノロジーの活用によって顧客の利便性を高めつつ、顧客データを収集。顧客の理解を深めて、より良いサービスの提供につなげていこうとしている。林執行役が一例として挙げたのが、スマートスピーカー「Amazon Echo」を使った館内案内だ。フロアに設置したAmazon Echoに顧客が「トイレの場所はどこ?」などと聞くと、その場所を音声などで回答する。

 Amazon Echoの回答データを集計すると、設置した店舗と場所によって顧客の困りごとが異なる事実が分かった。例えばある店舗ではトイレの場所を聞かれることが多く、別の店舗では銀行のATMを訪ねられるケースが多かった。こうして収集したデータを接客に生かす。

 この他、2019年11月にリニューアルオープンする渋谷パルコでも、新たなデジタル施策を数多く打ち出す。例えば電子レシート。パルコの専用アプリ「POCKET PARCO」にショップのPOSデータを転送し、電子レシートとして発行する。「キャッシュレス決済が進むなか、レシートだけが紙なのは不便」(林執行役)だからだ。

 電子レシートの恩恵を受けるのは顧客だけではない。パルコにもメリットがある。パルコの複数店舗で購入した商品の明細データを統計処理することで高度な分析が可能になるからだ。デジタル化によって顧客の理解を進め、接客の質を高めるサイクルを作り出す――。「ショッピングセンターが持つ本来の価値の向上にデジタルを活用する」と林執行役は強調した。