2019年10月10日、東京ビッグサイトで開催された「日経 xTECH EXPO 2019」の特別講演で「比嘉愛未と考える、働き方改革2.0 多様な個性でつくるこれからの組織と文化とは」と題し、女優の比嘉愛未さんとサイボウズの和田武訓チームワーク総研統括ディレクター、パナソニック コネクティッドソリューションズ社の榊原洋常務CDO/CIOが登壇。働き方改革について議論を交わした。モデレーターは日経BPの河井保博技術メディア局長が務めた。

写真左から、日経BPの河井保博技術メディア局長、女優の比嘉愛未さん、サイボウズの和田武訓チームワーク総研統括ディレクター、パナソニック コネクティッドソリューションズ社の榊原洋常務CDO/CIO
(撮影:菊池一郎)
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 最初に働き方改革の現状について聞くと、和田統括ディレクターは「3年前は漠然と改革プロジェクトを立ち上げている会社が多かったが、最近はより具体的になっている」と説明。一方で榊原常務CDO/CIOは、「働き方改革はやらなければいけないのでやっているが、『働き方改革疲れ』が出てきている。うまくいっているところとそうでないところに分かれてきている」と課題を指摘した。

 働き方改革をうまく進めるための方法として和田統括ディレクターが勧めるのが「100人いれば100通りの働き方改革」。そこでポイントになるのは人事制度やツールだという。制度やツールを導入しても、ある特定の部署、特定の人しか使えないようなものでは意味がない。「働き方は人それぞれで違うので、制度やツールもその多様性に対応できるものでなければいけない」(和田統括ディレクター)と強調した。この説明に比嘉さんは「自由でいい、難しく考えなくていいんだな」と納得した様子だった。

 コミュニケーションについても議論が交わされた。榊原常務CDO/CIOは、「組織知の進化」と題したスライドを用いて、組織におけるコミュニケーションが変わってきていることを指摘。従来は担当者から課長、部長、事業部長、社長と情報が伝わっていたが、今は、担当者や協力会社の関係者、顧客など、情報を持っている人が自由に意見交換できるようなコミュニケーションが大事になっていると説明した。「コミュニケーションをオープンにし、情報格差をなくすことが大事」(榊原常務CDO/CIO)という。

 講演の終盤、議論のテーマは個人の仕事の効率化に及んだ。働き方改革では労働時間の短縮や生産性向上が大きなテーマだが、ただ残業を禁止してもうまくいかない。個人が仕事のやり方を変えて効率を高めていくことが大事だ。これについて比嘉さんは、台本の覚え方を例に自身の経験を披露した。

働き方改革について話す女優の比嘉愛未さん
(撮影:菊池一郎)
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 比嘉さんは以前、常に台本を近くに置いておかないと不安で、気になったら確認するようにしていた。しかしそれでは効率が悪く、あえてそのやり方を変えるようにしたという。「オンオフの切り替えをしっかりしようと決めた。『今から1時間は台本と役だけに向き合う』と決めて覚えるようにした」(比嘉さん)。そうすることで集中力が高まったと話す。比嘉さんのこの働き方改革には登壇者全員が感心しきりだった。