官民一体となって建築分野でのBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)活用を推進することを目指す「建築BIM推進会議」が2019年6月、国土交通省の声掛けで立ち上がった。2019年10月11日、「日経 xTECH EXPO 2019」で開催された特別講演「今なぜ『建築BIM推進会議』か──国と民間が一体で進めるデジタル生産革新」に国交省住宅局建築指導課の高木直人氏が登壇。同会議の立ち上げの経緯と目指す将来像、さらには実現へのプロセスについて語った。

国土交通省住宅局建築指導課の高木直人氏(写真:新関 雅士)
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 高木氏は、同会議設立の経緯について、次のように説明する。「建築分野におけるBIMは一部を除き、発注者、設計者、施工者、維持管理担当者がいずれも民間であり、その中でいかにBIMを活用していくかは“民―民”の取り組みとなる。しかし、どうもうまくいかないという実態があり、国交省が関わることになった」

 その背景として、建築分野の危機的状況がある。建設投資額は1992年度にピークを迎えてから長期低減傾向にあり、建設業者数も建設業就業者数も1990年代のピーク時から20~30%ほどの減少となった。政府は労働者の減少を上回る生産性の向上を目指して2016年3月、国交省に生産性革命本部を設立。同年9月には、安倍晋三総理を議長とする「未来投資会議」を設置し、建設現場の生産性について2025年までに生産性を2割向上させる方針を示した。

 さらに、国交省は2016年度に「i-construction」として建設生産システム全体の生産性向上を目指す取り組みをスタート。「BIM/CIMもi-constructionの取り組みの一部。計画、調査、設計の段階から3次元モデルを導入し、施工、維持管理まで一貫してデータを活用することで業務の効率化・高度化を図るものだ」(高木氏)

 同省では2018年度に、契約図書における3次元モデル表記基準の策定や土木工事数量算出要領の改定を実施。BIM/CIMにおける要領基準類を整備した。その他、BIM/CIM推進委員会を設置し、5つのワーキンググループ(WG)を設けて基準要領や国際標準への対応などを検討してきた。建築BIM推進会議は、この5WGの1つ、「建築分野における検討WG」の別名だ。