年間1億日分のデータで健康寿命を延ばす、住友生命が「Vitality」の裏側を披露

2019/10/10 15:20
島田 優子=日経 xTECH/日経SYSTEMS

 「病気や死亡、介護など悪いときにしか接する機会がない生命保険を、日常生活でも考えてもらえるようにすることを目指している」。住友生命保険の健康増進型保険「Vitality」について、同社の高田幸徳執行役常務はこう説明する。2019年10月10日、東京ビッグサイトで開催中の「日経 xTECH EXPO 2019」で「健康増進型保険住友生命Vitality~その実績と更なる進化~」と題して講演した。

住友生命保険の高田幸徳執行役常務
(撮影:中村 宏)
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 Vitalityは俳優の瑛太が演じるキャラクター上田一が登場するテレビCMが話題の保険だ。「これまで保険はリスクに備えるものだったが、Vitalityは病気になるリスクそのものを減らして健康寿命を長くすることを目指している」と高田常務は説明する。

 Vitalityは健康診断やがん検診などの結果による健康状態や、歩数など日々の運動状況に応じて加入者にポイントを付与し、そのポイントに応じて保険料を割り引く。「健康状態が良いから割り引くのではなく、健康になるプロセスに対して割引を設定している」(高田常務)ことが特徴だ。

 Vitalityを支えるのがビッグデータの活用だ。Vitalityは南アフリカのディスカバリーが開発した商品で、それを住友生命が日本で販売している。データはディスカバリーが提供する「Vitalityシステム」で収集。それを住友生命や研究機関が分析し、サービスの改善や新しいサービスの創出などに利用する。

 2018年7月に販売開始したVitalityは2019年9月末時点で30万人の加入者がいる。歩数や心拍数など健康に関するデータは「1年で1億日分集まる計算だ」と高田常務は話す。「個人名などを特定できない形にしたうえで、活用可能なこれだけのデータを持っている企業は少ないと思っている。このデータや技術の進化を活用して、人々の生活の質が向上するようなサービスを開発していきたい」(同)と意気込みを語った。

 アンケートやビッグデータの分析から、「高血圧の加入者の48%は血圧が下がるなどの効果を得ている」(高田常務)。現在、日常生活に関するデータは心拍数や歩数に限られているが、今後は「食生活のデータなどを取得して分析し、健康寿命の延長やより良い社会の開発に生かしていく」(同)狙いだ。

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