リコー CEO室の浅香孝司室長は2019年10月9日、東京ビッグサイトで開催中の「日経 xTECH EXPO 2019」で講演し、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を全社展開した軌跡を披露した。講演タイトルは「ボトムアップ活動の起爆剤とは 劇的な活動の拡大と進化を促す7つのポイント」である。

 リコーが全社レベルでRPA導入に着手したのは1年半前の2018年春。きっかけは社内外から「リコーの課題抽出力や課題解決力が鈍っていると指摘を受けるようになった」(浅香室長)ことだったという。これを受けて、RPA導入を業務の可視化や改善活動につなげるプロジェクトが始動した。

講演するリコー CEO室の浅香孝司室長
(撮影:中村宏)
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 浅香室長は「社内の改革活動は『誰のためか』『何のためか』という位置づけによって、参加する社員の心理や取り組み方が大きく変わる」と指摘した。リコーではRPA導入を単なる現場業務の自動化ではなく、「社員一人ひとりが業務プロセスを改善し続ける体質作りの手段である」と位置付けた。

 また「RPA導入は、あらゆる現場の困りごとを解決する活動だ」とも位置付け、適用分野も適用対象地域(国内・国外)も限定しないと決めた。「現場のかゆいところに手が届く活動にする」(浅香室長)という方針を明確にしたことで、事務部門のほか生産部門、設計開発部門などでRPAの活用が進んでいるという。

 例えば設計開発部門では、製品試験の設定や試験データの処理などをするロボットを、現場社員が自ら開発している。「設計部門で大きな割合を占める付随業務の自動化が進み、本来業務に集中できるようになった」(浅香室長)。こうして現場の負担軽減や働き方改革につながるとの認識が定着したことが、リコーでのRPA普及の最初の起爆剤になったという。