JR東日本の太田朝道常務は2019年10月9日、東京ビッグサイトで開催中の展示会「日経 xTECH EXPO 2019」で「オープンイノベーションによるモビリティーの変革」と題して講演した。「当社はこれまで鉄道のインフラを起点に発展してきたが、これからは人の『豊かさ』を起点にし、インフラと外部の技術を組み合わせて新しいサービスを創造していく」と述べた。

「日経 xTECH EXPO 2019」で講演するJR東日本の太田朝道常務
(撮影:菊池一郎)
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 太田常務は具体的な取り組みとして、様々な移動・生活サービスを1つのアプリでシームレスに使えるMaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)の取り組みを挙げた。JR東日本は2019年9月にスマートフォン向けの「JR東日本アプリ」をアップデートした。経路検索機能を強化したほか新潟エリアで実証実験をしている「にいがたMaaS Trial」と連携するようにした。

 にいがたMaaS TrialにはJR東日本の鉄道だけでなく、グループ外のバスやレンタカー、観光スポットなども含めて、新潟市内の観光や出張の利便性を高める機能を盛り込んでいる。Web内でクレジットカード決済すればバスの1日乗車券を購入でき、バス運転士に見せて利用できる。新潟市内の飲食店で使える「ほろ酔いチケット」もWeb内で購入できる。

MaaSについて説明するJR東日本の太田朝道常務
(撮影:菊池一郎)
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 アプリやWebを使った取り組みとは別に「MaaSを推進するうえでSuicaが大きな鍵を握る」(太田常務)。Suicaは主要都市圏では乗車券・電子マネーとして広く普及したが、地方都市では必ずしも普及していない。太田常務は「従来のSuicaのシステムは、地方の交通機関が導入するには少々コストが高かった。利用者にとっての使い勝手を変えずに、システムコストを抑えられる『地域連携ICカード』を開発しており、今後地方にもSuicaを広めやすいようにする」と述べた。

 太田常務はMaaSを含めた新サービス創造のために、外部の企業・研究機関などと連携するオープンイノベーションを最大限に生かす考えも示した。JR東日本が主宰する「モビリティ変革コンソーシアム」にはすでに約120社が参画している。太田常務は「JR東日本のバス専用道路を使った自動運転実験など、JR東日本が持つインフラを使った様々なプロジェクトが進行している。ここにいる企業の方々も、興味があればぜひ参加してほしい」と聴衆に呼びかけた。

■変更履歴
JR東日本からの申し入れにより、「にいがたMaaS Trial」に関する記述中の「アプリ」を「Web」に変更しました。[2019/10/10 14:30]