SMBCバリュークリエーションの山本慶社長は2019年10月9日、東京ビッグサイトで開催中の「日経 xTECH EXPO 2019」で講演し、SMBCグループにおけるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を起点にした生産性向上の取り組みを解説した。山本社長はRPA導入を成功させる近道として「人を中心に置くべきだ」と力を込めた。

 SMBCバリュークリエーションは三井住友銀行の完全子会社で、RPAなどの導入を支援する役割を担う。RPAというと人件費を中心にコスト削減ばかりに目が行きがちだが、山本社長は「社員がストレッチ(能力向上)する環境を人工的かつ機動的に作れる」利点も大きいと強調した。

SMBCバリュークリエーションの山本慶社長
(撮影:菊池一郎)
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 山本社長は現場に健全な危機感を持たせるために「5人でやっていた業務を3人でやろう」というように、まず目標を設定してもらったという。自動化を前提にした業務フローを現場目線で組み立てることにより、RPAの導入効果を最大限に引き出そうとした。

 「(RPAを導入することで)社員のストレッチによる生産性の改善と、ロボットによる業務の代替という2つの効果を狙った。ロボットによる業務の代替だけだと効果はそれほど大きくない」(山本社長)

 既に成果は出ている。2019年9月末時点で、約290万時間、1450人分の業務をRPAによって代替できたという。例えば、営業担当者が顧客に訪問する前の準備作業をRPAによって代替したことで、顧客への訪問件数や提案内容の質が高まったとする。

 社員が自発的にRPAを展開しやすい仕組みも整備しており、グループ全体で約1500業務に導入しているロボットのうち4割を社員が開発した。山本氏は「業務知識、ITリテラシー、熱意の3つがそろって初めて社員が自らロボットを開発する体制ができる」と語った。