ソニーのデジタルカメラが、欧州市場で奮闘している。既にミラーレス一眼カメラ市場では世界トップの地位を長年キープし、2018年に「フルサイズカメラ」(35mmフルサイズのセンサー搭載機種)で初めて世界首位のシェアを獲得した。なぜ、欧州市場で好調なのか、その秘密は何か。

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「IFA 2019」のソニー・ブースでは、デジタルカメラのコーナーの人気が高かった
(写真:麻倉 怜士)

 筆者は平井一夫前会長が2019年6月に退任する前の同5月、同氏にインタビューする機会があり、その時に平井氏はカメラ事業について言及していた。「好調なカメラ事業については、平井さんはどんなメッセージを発したんですか」との筆者の質問に、同氏はこう答えた。

前ソニー会長の平井一夫氏(写真左)。2018年2月の社長退任時の様子
(写真:日経 xTECH)
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 「現在は好調に推移していますが、実は一眼レフカメラの『α』は、長らく赤字が続きました。その時に言い続けたのは「いいボディーを作ってほしい」ということ。ゲーム事業で言えば、カメラのボディーはゲームコンソールで、レンズがゲームソフトに当たります。ですから、ボディーの数が増えない限り、どんなにいいレンズを作っても売れません。売れるボディーをどんどん作って、「Eマウント」と「Aマウント」の台数を増やせば、必ず良いレンズは売れると言い続けました」

 「αでは、強いボディーが発売されたのに合わせ、レンズも売れるようになりました。ただ、ここで終わりではなくて、今度はレンズのバリエーションを増やさないとダメだと言いました。ゲームタイトルが少ないと、ユーザーは満足しません。それと同じです。当時のチームにはこのタイミングで、レンズ開発のエンジニアリングリソースが足りないならサポートすると話し、エンジニアを増やしました。これが現在のレンズバリエーションに結びついています。あとはボディーも、徹底的にいろんなバリエーションを作るようにした。リカーリング(循環型)と言いますが、ゲームコンソールのビジネスと似ているところがありますね」(平井氏)

高級ラインのGレンズもラインナップ拡充(写真:麻倉 怜士)
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