「スマホは病院業務効率化の最強ツールだ」、音声でカルテ入力を実現したHITO病院

2019/08/21 05:00
近藤 寿成=スプール

 「スマートフォン(スマホ)は業務効率を高める最強のツールだ」――。「国際モダンホスピタルショウ2019」のカンファレンス「PHSが2020年終了!?切り替わりに伴うiPhone導入事例」に、石川記念会 HITO病院の担当者が登壇した。

石川記念会 HITO病院 理事長の石川賀代氏(写真:スプール)

 「~iPhone導入事例~HITO病院が取り組むiPhoneによるヘルスケア変革」と題して、理事長の石川賀代氏が概要を、CTO兼脳卒中センター 副センター長の篠原直樹氏が導入事例を、経営企画部 部長の佐伯潤氏がセキュリティー関係を、医療情報部 情報システム課の村山公一氏がアプリ開発を解説した。

 愛媛県四国中央市にあるHITO病院は、「生きるを支える」地域の中核病院として、さまざまな課題に直面している。初めに登壇した石川氏によれば、「人口減少」「少子高齢化」「地域間格差」などへの対策はもちろん、「働き方改革」や「地域医療構想」などへの対応も求められているそうだ。そして、持続可能な病院経営を成り立たせるためには、「次世代に対応する医療環境・意識改革に早い段階から取り組むとともに、多様化する時代に対応する柔軟性も必要となる」(石川氏)とした。

 そこでHITO病院では、業務効率化や医療サービスレベルの向上、働き方改革の推進を目的に「未来創出HITOプロジェクト」を設立。「労働時間の短縮を意識しながら生産性の向上を目指すために、質を落とさず効率化を推進」するために「ICTを利活用するしかない」(石川氏)と考えた。

 実際の取り組みとして、2016年から全医師へ米アップル(Apple)のタブレット端末「iPad」の貸与と利用サポートを開始し、2018年にはPHSからスマホに移行して院内に「iPhone」が導入された。石川氏はこれを大きな転機と位置付け、「プロジェクトが加速的に進行したきっかけの1つだった」と振り返る。

 スマホの導入数は段階的に増加しており、2019年6月現在で日勤帯スタッフのほぼ全員分にあたる300台を活用している。石川氏はスマホの利用ポイントとして「音声入力による、カルテ記載時間の短縮」「スマホによる3点認証」「iPhoneカルテの導入」「テキストコミュニケーションの活用」「教育時間の個別化・効率化」の5点を挙げ、業務アプリの開発や配信、改良は現在も進行中であると紹介した。

 未来創出HITOプロジェクト自体は現在「フェーズ3」の段階に入っており、院内のモバイルICTを推進中という。今後は、院外や地域内でのICTの利活用を検討していく予定だ。これまでの3年間で「iPhoneは非常に強固なセキュリティーに対応できる」と石川氏は確信しており、「パソコン端末に縛られない利便性の高さは、働き方改革における一番の強み」と評価する。

 近い将来は5G(第5世代移動通信システム)による院外利用もほぼ確実なことから、ヘルスケア改革を推進するうえで「業務効率を高める最強のツールだ」と太鼓判を押した。

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