「スマートフォン(スマホ)とビーコンを用いたシステムで、医師に負担をかけずに勤怠を管理する」――。岡山大学病院 総務課長の木村勝弘氏は「国際モダンホスピタルショウ2019」(2019年7月17日~19日)の3日目に開催されたカンファレンスで「医師の勤怠管理のIT改革 - iPhoneとビーコンを使った最先端勤怠管理システム導入事例」として、システムの概要や導入に至った背景、実証実験の結果などを紹介した。

岡山大学病院 総務課長の木村勝弘氏
(写真:スプール)

 岡山大学病院では、システムの導入に合わせて各棟の出入り口に合計56個のビーコンを設置。勤怠管理を円滑に運用するため、各棟を「診療」、「研究」、「教育・研修」、「休息」という4つのカテゴリーに分類した。ビーコンの設置はカードを貼り付けるだけの簡単なもの。医師はスマホを持ち歩くだけで、出入り口を通過した際に自動的に出勤時間や退勤時間が記録される。さらに、院内の滞在場所や滞在時間のデータを取得することも可能になった。

岡山大学病院でのビーコンの設置状況
(出所:岡山大学病院)

 2019年6月から、14人の医師を対象に実証実験を開始した。14人の医師はすべて常勤で、偏りがないようにさまざまな診療科から選出された。実証にあたっては、通常と変わらない業務を行ってもらい、期間を14日間に設定した。実証内容は、スマホとビーコンを用いた「出勤・退勤の自動打刻」と「労働場所・時間等の在院時間管理」の客観的なデータ取得の確認である。

 実証実験の結果、ビーコンの検知率は95.4%だったが、実際の運用では「限りなく100%でなければ意味がない」と木村氏は語る。未検知の4.6%はスマホの「持ち歩き忘れ」や「バッテリー切れ」だったことが確認できたことから、「技術面に課題はない」とした。実質的には「ほぼ100%の検知率だったと判断し、効果的・効率的な勤怠管理が可能になる」と結論付けた。

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