スマートベッドから見守りレーダー、VR介護研修まで、最新ヘルステックが集結

2019/07/25 05:00
安蔵 靖志=IT・家電ジャーナリスト

 2019年7月17日から19日まで3日間にかけて、東京ビッグサイトで医療・保健・福祉分野の展示会「国際モダンホスピタルショウ」が開催された。法人向け(B2B)展示会ではあるが、我々の生活は新たな医療・保健関連機器によってどう変わっていくのか。スマートフォンと連携するなど、新たな医療・保健・福祉を実現する機器を中心に紹介していきたい。

2019年7月17日~19日に東京ビッグサイトで開催された医療・保健・福祉分野の展示会「国際モダンホスピタルショウ」の模様
(写真:安蔵 靖志)
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ベッドサイド端末と電子カルテを連携

パラマウントベッドのブース
(写真:安蔵 靖志)
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 パラマウントベッドの「Smart Bed System」はベッドサイドケア統合情報システムという位置付けで、ベッドサイド端末と電子カルテシステムを連携し、スタッフが患者のケアに必要な情報をベッドサイドで確認し、バイタルサインなどの入力によって情報共有もできる。

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電子ピクトグラムや患者の情報などを表示し、計測したバイタル情報などもその場でタッチして送信できるパラマウントベッドのベッドサイド端末
(写真:安蔵 靖志)

 ベッドサイド端末と情報を一元管理・閲覧できるステーション端末のほか、ベッドに設置して患者や入居者の体動や離床などをセンシングできる「離床CATCHベッド」、患者や入居者の睡眠状況の推移や起き上がり、離床状況などをセンシングしてリポートする「眠りSCAN」など、ニーズに応じてさまざまなソリューションを組み合わせて利用できるようになっている。

利用者の体動を検知できるパラマウントベッドのセンサー
(写真:安蔵 靖志)
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利用者の睡眠、起床、離床状況に加えて、心拍数や呼吸数の推移なども計測・管理できるパラマウントベッドの「眠りSCAN」
(写真:安蔵 靖志)

ベッドを見守りに活用

 患者や入居者の「見守り」に特化したのがフランスベッドの「見守りケアシステム M-2+Yuiコール」だ。ベッドに搭載する4つのセンサーによって利用者の「動き出し」、「起き上がり」、「端座位(ベッドの端に座っていること)」の状況を検知できる。

フランスベッドのブース
(写真:安蔵 靖志)
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 ナースコールと見守り機能、施設設備管理機能を一体化した平和テクノシステムの「Yuiコール」を通じてナースコールを実現した。離床後に一定時間戻らない場合に通知する「離床管理モード」なども搭載する。

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ベッドサイド端末を搭載し、利用者の睡眠・起床・離床状況を把握できるフランスベッドの「見守りケアシステム M-2」
(写真:安蔵 靖志)
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ベッド下に4つのセンサーを搭載し、動き出しや離床などを検知
(写真:安蔵 靖志)
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ナースコールで知らせてくれるほか、カメラで状況を確認することもできる
(写真:安蔵 靖志)

 そのほか、シーホネンスのブースにもセンサーによって利用者の状況を把握し、離床を検知するとケアコムのナースコールシステムと連携して通知する「離床センサー iサポート」を展示していた。

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利用者の睡眠・起床・離床状況を検知できるシーホネンスの「離床センサー iサポート」
(写真:安蔵 靖志)
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ケアコムのナースコールシステムと連携し、離床時などにお知らせしてくれる
(写真:安蔵 靖志)

ウエアラブル端末で見守り

 トーカイのブースで展示していたリストバンド型端末の「iAide(アイエイド)」シリーズは、在宅医療・介護向けの見守り端末だ。24時間脈拍を測定し続けるだけでなく、携帯電話回線を利用した端末を用いて、ほぼリアルタイムに近い形でデータをモニタリングできるというもの。脈拍異常時には対応する医療機関や介護施設にアラートが届き、早期対応できるようにする。「在宅でのみとりなどに役立つ」と担当者は話していた。

24時間脈拍をモニタリングできるトーカイの在宅医療・介護向けリストバンド型端「iAide(アイエイド)」シリーズ。奥の白い端末が携帯電話回線を利用した通信端末 (写真:安蔵 靖志)
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脈拍を絶えず計測しており、しきい値を超えると病院や介護士など複数の登録先にアラートが一斉送信される
(写真:安蔵 靖志)
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 ケアコムのブースで参考出展していたのは、スマートフォン連係の生体情報モニタリングシステムだ。心拍数やSpO2(動脈血酸素飽和度)などを計測できるバイタルセンサーと連携し、心拍数やSp02などが設定したしきい値を超えるとセントラルモニターや指定したスマートフォンにアラームを送る。スマートフォンからほぼリアルタイムで心拍数やSpO2の推移グラフをチェックできるというのがポイント。現在、奈良県立医科大学MBT、奈良県立医科大学附属病院と実装準備を進めているところだという。

心拍数やSpO2(動脈血酸素飽和度)などを計測し、しきい値を超えるとアラートを送信するスマートフォン連係の生体情報モニタリングシステム
(写真:安蔵 靖志)
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スマートフォンで患者のバイタル情報をほぼリアルタイムに確認できる
(写真:安蔵 靖志)
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カメラと顔認証で入退室を監視

 NECフィールディングのブースでは、顔認証や静脈認証、指紋認証などの生体認証とICカード認証などを組み合わせた見守り監視・入退室管理ソリューションを展示していた。特定の部屋への入退室にセキュリティーを施すだけでなく、カメラと顔認証システムによって入居者の入退室を監視する。認知症患者などが施設外に出た場合に即座にアラートを送信するなど、徘徊(はいかい)防止に役立つ様子をデモンストレーションしていた。

生体認証とICカード認証などを組み合わせたNECフィールディングの見守り監視・入退室管理ソリューション
(写真:安蔵 靖志)
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カメラで入居者の顔を認識してアラートを出すことで、徘徊防止などに役立てられる
(写真:安蔵 靖志)

 天井に設置したカメラによって指定したエリア内にいる人の数や動きを認識し、混雑状況を把握できるソリューションも展示した。天井に設置することで「人と人の重なりがなくなり、より細かく動線を把握できる」と担当者は話していた。

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天井に設置したカメラで在室人数や動線などを把握できるソリューション
(写真:安蔵 靖志)

カメラを設置できない場所にはレーダー

 OPTiMのブースでは、カメラとAI(人工知能)を活用して動線を把握できるソリューションを展示していた。もともとは商業施設などで利用者の動線を細かく把握してマーケティングなどに生かすソリューションだが、医療機関では待合室の混雑状況を把握したり、従業員が手指衛生を徹底しているかどうかをモニタリングしたりする活用法があるとのことだった。

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OPTiMのブースで展示していた「OPTiM AI Camera」ソリューション
(写真:安蔵 靖志)

 待合室や廊下などの公共ペースであればネットワークカメラによるモニタリングを活用できる。それ以外の場所での見守りソリューションを提案していたのが、ユニオンツールの「見守りレーダー」だ。

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カメラを設置できない場所でも見守りができるユニオンツールの「見守りレーダー」
(写真:安蔵 靖志)

 見守りレーダーはカメラを設置できない更衣室などに設置し、レーダーの電波で在室中の人との距離を測定する。人の在室や不在、うずくまり(低い姿勢になっている)、倒れているといった状況を把握し、パトライトやスマートフォン、タブレット端末にアラートを送信できる。更衣室やトイレ、脱衣所など、カメラを設置できない場所でも見守りができるのは、介護施設などで重宝するのではないだろうか。

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見守りレーダーの設定画面(左)。設定した状況になると、パトライトの光や音で通知する。スマートフォンにもアラートが送られる
(写真:安蔵 靖志)

VRで介護や医療の研修

 ジョリーグッドのブースでは、VR(仮想現実)ヘッドセットを利用した(1)介護研修VRシステム「ケアブル」や、(2)医療研修システム「Guru Job VR」を展示・デモしていた。

VRヘッドセットを装着しているところ
(写真:安蔵 靖志)
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 (1)のケアブルは介護士や被介護者の目線によるVR映像を通じて、どのように介護を進めていけばいいのかを研修できるというもの。1台のタブレット端末で複数台のVRヘッドセットと連携して研修状況を把握できるだけでなく、着目したいポイントをタッチパネルから手書き入力できるような仕組みも備えていた。

ケアブルの画面。タブレット端末で利用者がどこを見ているのかをチェックするだけでなく、着目したいポイントを手書きで入力できるようになっている
(写真:安蔵 靖志)
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 (2)のGuru Job VRは、手術を執刀している医者の状況や、それに参加しているスタッフ(器械出し看護師)などを360度カメラで撮影し、手元近くでその技術を研修できるというもの。360度を見渡せるので、どのようなタイミングで手術を進めているのか、器具などをどのように配置しているのかなど、興味のある視点で研修できるのがポイントだ。医療機器メーカーが自社の機器の使い方を知らしめるためのマーケティングツールとして活用したいというニーズもあると担当者は語っていた。

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Guru Job VRの画面。手術野のアップなど必要な情報を必要に応じて子画面表示できるのもVRならではの使い勝手の良さだ
(写真:安蔵 靖志)

翻訳ソリューションでインバウンド対応

 パナソニック システムソリューションズ ジャパンのブースでは、自律搬送ロボット「HOSPI(ホスピ)」が展示されていた。

パナソニック システムソリューションズ ジャパンの自律搬送ロボット「HOSPI(ホスピ)」
(写真:安蔵 靖志)
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 ICカードをタッチすることで収納庫の解錠・施錠し、目的地を指定すると薬剤や検体を自動的に搬送してくれる。あらかじめ記録した施設の地図情報を基に経路を自ら判断し、エレベーターなども自動的に乗り降りしながら目的地までたどり着く。病院施設内を走行しているHOSPIの状態は、院内ネットワークを利用した運行監視システムで随時確認でき、誰がいつどこへ搬送させたのかといった情報のトレーサビリティーにも役立つ。

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ICカードをかざすことで収納庫の解錠・施錠が可能。搬送したい薬剤や検体などを入れられる
(写真:安蔵 靖志)
タッチパネルで行き先を指定すれば、自動で目的地まで運んでくれる
(写真:安蔵 靖志)
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 同社のブースでユニークだったのがインバウンド向けの翻訳ソリューション「対面ホンヤク」と「メガホンヤク」の2製品だ。対面ホンヤクはタブレット端末に対面式のマイク2機が付属するようなスタイルで、日本語と英語・中国語・韓国語・タイ語の相互翻訳ができる。

タブレット端末とマイク2機が一体化したようなスタイルの対面型翻訳機「対面ホンヤク」
(写真:安蔵 靖志)
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 メガホンヤクは、メガホンと翻訳機が一体化したようなスタイルになっており、ボタンを押して日本語で話しかけることで、日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語による定型文を呼び出して読み上げる。業界特有の文章を定型文として登録すれば、手軽に認識・翻訳してくれる。

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メガホン型の翻訳機「メガホンヤク」
(写真:安蔵 靖志)
話しかけると音声を認識し、登録した定型文を呼び出して読み上げてくれる
(写真:安蔵 靖志)
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 100mほど先まで届くスピーカー(出力音圧は105dBSPL)を搭載しているので、災害時などで訪日外国人を含めた入居者や利用者を速やかに誘導しなければならない場合などに活躍しそうだ。

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