「レベル3の自動運転車が普及する時代は当面来ない」――。多くの自動車メーカーに自動運転やADAS(先進運転支援システム)向けの部品を供給するドイツ・コンチネンタル(Continental)のトップが断言した。

 同社CEO(最高経営責任者)のエルマー・デゲンハート(Elmar Degenhart)氏は、2030年時点で世界の新車販売台数の占めるレベル3対応車の割合は「数%にとどまる」(同氏)と読む(図1)。

図1 Continentalが示した自動運転市場のシナリオ
普及するのは「運転支援」であるレベル2のシステムと読む。(出所:Continental、撮影:日経Automotive)
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 一方で、あくまで運転支援の領域であるレベル2のシステムは、新車の過半に搭載されると予測する。2019年7月上旬にドイツ・ハノーバーで開催した技術取材会「TechShow 2019」で、自動運転市場の見通しを示した。

レベル3が「来ない」ワケ

 レベル3の自動運転で先陣を切ろうとしたのはドイツ・アウディ(Audi)だった。2017年に発売した高級セダン「A8」は、「世界初のレベル3対応」(同社)とうたったが、いまだに実現できずにいる。

 レベル3の最大の難しさは、運転の権限がシステムから人に移譲する場合があることだ。これにより、事故が起こった際の責任の所在が問題になる。レベル3の自動運転中の事故は自動車メーカーが責任を負うが、レベル2は「運転支援」であり、事故の責任は運転者にある。

 「適切に権限移譲できるシステムをAudiのA8が実現できていないと各国の警察や政府機関が判断した」(ある日系自動車メーカーの幹部)ことに加えて、法律の整備も進んでいない。レベル3の実現は、「数年前に想定していたよりもはるかに難しいことが分かってきた」(Continentalの自動運転担当者)ことから、Continentalはレベル2向けの技術開発に注力する方針を固めた。

 それでも、レベル3以上の自動運転に向けた開発をやめるわけではない。MaaS(Mobility as a Service)向けの車両では、「(システムが運転の責任を担う)レベル4/5の無人運転タクシーが2025年ごろから都市部を走り回る」(Degenhart氏)と見通す。

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