タイヤのシェア争いがグローバルで過熱している。「ビッグ3」と呼ばれるタイヤ上位3社(ブリヂストン、Michelin、Goodyear)の順位は10年以上変動していないものの、世界市場に占める各社のシェアは縮小傾向にある。背景には、自動車市場の成長を追い風として、中国やアジア新興国のタイヤメーカーが勢力を拡大していることがある。

 過熱する競争をどう勝ち抜くのか。ビッグ3の一角であるフランス・ミシュラン(Michelin)のExecutive Vice-Presidentであり、乗用車・商用車ビジネスを統括するScott Clark氏は2019年6月、日経 xTECHなどの取材に応じ、次世代のタイヤビジネスに対する戦略の方向性を示した。

(聞き手は窪野 薫=日経 xTECH)

中国やアジア新興国のタイヤメーカーがシェアを伸ばしている。

 自動車の開発競争が激化しており、それに伴いタイヤにも変革が必要だ。グローバルメーカーとしてのMichelinが持つ伝統と規模を生かしながら、イノベーションとテクノロジーに対して、投資でリーダーシップを発揮していく。

MichelinのExecutive Vice-Presidentで乗用車・商用車ビジネスを統括するScott Clark氏(撮影:日経 xTECH)
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 保有する技術力の向上のために、積極的かつ適正な投資を進める。技術を駆使した高性能タイヤで、新興国メーカーが展開する低価格戦略と差異化する。

 100年に一度という大変革の波が押し寄せ、自動車産業は「新しい時代」に突入していく。対応するためには新しいテクノロジーを常に手中に収めておく必要がある。例えば、タイヤの接地面が摩耗しても長期間信頼性を維持できるような材料や、転がり抵抗の改善といった技術開発に力を入れるべきだろう。

 積極的に投資を進めるのは技術開発に関してだけではない。ポートフォリオを拡大しつつ、タイヤの量産体制も強化してく。

 2019年1月にはインドネシアのタイヤメーカーPT Multistrada Arah Saranaの株式を80%取得して傘下に収めた。同社の製造技術を取り入れることで、コストを抑えたタイヤを効率良く生産する基盤を構築していく。新興国メーカーに対抗する高性能タイヤをより安価に供給できるように、コスト競争力が高いタイヤ造りを追求し続けたい。

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