自動運転ではテスト環境の整備、電動化では電池の研究に注力する――。英国が進める次世代自動車向けの研究開発戦略が見えてきた。「人とくるまのテクノロジー展2019」(2019年5月22~24日、パシフィコ横浜)の英国パビリオンで関係者に聞いた。

 英国政府は2017年11月に発表した産業戦略の中で4つの注力分野を示した。「未来のモビリティー」、「AI、ビッグデータ」、「クリーンエネルギー」、「高齢化社会」である。このうち「未来のモビリティー」に関しては、2018年1月に「オートモーティブ・セクター・ディール」と呼ぶ政策を策定し、研究機関への助成を本格化している。

 自動運転に関しては、「ゼンジック(Zenzic)」と呼ぶ組織が中心的な役割を担う。2017年9月に設立した組織で、英国政府から2.5億ポンド(140円/ポンド換算で約350億円)の助成金を受け、80の研究プロジェクトに資金を提供している。

左:ゼンジックCEO(最高経営責任者)のDaniel Ruiz氏、右:ゼンジックに助成金を提供している英国リサーチ・アンド・イノベーション(UK Research and Innovation) Innovate UK Senior Programme Manager AutomotiveのDavid Tozer氏
(撮影:日経Automotive)
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 このうち、2億ポンド(約280億円)を「テストベッドUK(Testbed UK)」と呼ぶテスト・開発環境の構築に投資している。テストベッドUKは、環境制御型の車両テストコースを提供する「TIC-IT」や、ロンドンの公道を使った走行テストが可能な「SMLL」、コネクテッドカーのデータ基盤を提供する「ConVEx」といったプロジェクトからなる。テストベッドUKを活用した企業は、日産自動車やトヨタ自動車、英ジャガー・ランドローバー(Jaguar Land Rover、JLR)グループなど200社に上るという。

 ゼンジックでは2030年に向けた英国のコネクテッドカーや自動運転車の技術ロードマップ「UK Connected and Automated Mobility Roadmap to 2030」も策定している。

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