NOKは、粘土を熱伝導部材として使うことで作業性を高める技術を開発した(図1)。名称は「Tran-Qクレイ」。モーターのコイル部といった複雑な凹凸面に押し付けることで、簡単に適合した形状に成形できる。型を必要とせず安価になる。電気自動車(EV)の普及を追い風にモーターメーカーに売り込む。2019年中の供給を目指して量産体制を整えていく。

図1 NOKは粘土を熱伝導部材として使う(撮影:日経 xTECH)
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 同社は「人とくるまのテクノロジー展2019」(2018年5月22~24日、パシフィコ横浜)で開発品を披露した。

 これまで一般的だったのは、隙間に液体やゲルを流し込んだり、ゴム製のシート材を何重にもして組み込んだりする手法。組み立て時に手間がかかる割には、熱伝導材が細部まで行き届かないといった課題が存在していた。

 課題の解決を狙ったNOKは、シリコンベースの粘土に着目した。「ゲルとゴムの中間の柔軟性を持つ」(NOKの説明員)として、形を変えやすく保持性も高いのが特徴である。

 モーターの組み立て時に、外装であるハウジングの下に粘土を敷き、上からハウジングごと押し付ける。従来の方式に比べて作業工程は単純になり、時間も短縮できる。組み立てに失敗した時に再利用できることも利点の1つだ。

べたつきを抑える

 NOKの説明員は「難しかったのは油分の制御だ」と話す。一般的に粘土は油分でべたつくことが多く、これでは手を拭く動作を追加する必要が出てきたりと、作業性は向上しない。材質の改良を続け、粘土の柔軟性を維持しながら油分を抑えることに成功した。

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