日産自動車は2030年ごろに、シリーズハイブリッド車(HEV)の販売台数が電気自動車(EV)とほぼ同等になり、全体の1/4を占める見通しを示した。2018年度の販売台数を前提にすると、約138万台に達する。HEVの鍵を握るガソリンエンジンは、わずか2~3機種でHEVの全車種に対応できると見込む。HEVのコストを大幅に下げて、HEV王者のトヨタを追いかける。

 自動車技術会が2019年5月22日に開催した「2019年春季大会フォーラム」で、日産自動車パワートレイン・EV技術開発本部アライアンスGMの久保賢明氏は、シリーズHEVに対する今後の取り組みについて説明した。

 シリーズHEVとは、内燃機関を発電機として使用して電池に充電し、モーターで駆動する車両のこと。日産は「e-POWER」と呼び、「ノート」と「セレナ」の2車種で採用している(図1)。今後e-POWERを採用する車種を国内外で増やす方針だ。北米や中国市場で展開する高級車ブランド「インフィニティ」に搭載することも明かしている。

図1 e-POWERシステム
内燃機関を発電機として使用する。(出所:日産自動車)
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 日産がエンジンを2~3機種に減らせると見込むのは、モーターで車種の特徴に合わせたトルク制御が可能なことから、エンジン側の役割が単純になるためだ。

 例えば、車格をスモール、ラージ、プレミアムの3種類に整理。その車格に合わせて、モーターを3種類用意する。蓄電池は共通のセルを用意し、車格などに合わせて搭載する個数を変える。あとはモーターの出力や蓄電池の容量に合わせて、発電用のエンジンを用意する。モーターが3種類程度であれば、発電用エンジンも2~3種類に抑えられると考える。

 発電用エンジンやモーター、蓄電池の種類を整理しておくことで、車格に合わせて最適なものを組み合わせるといった開発の効率化が可能だ。共用できるパーツを増やせば、コスト削減にも役立つ。

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