大日本印刷(DNP)は2019年5月22日、電気自動車(EV)向け無線給電システム向けの送受電コイルをフォトリソグラフィー技術で製造することで、フェライト込みの厚みと重量を共に従来の約1/4にすることに成功したと発表した(発表資料)。展示会「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」にも出展し、同コイルを用いた無線給電を実演した。

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DNPが開発した1.5mm厚以下の薄型コイル
(写真:DNP)

 DNPが開発したのは、EV向け無線給電用の送受信コイル。特徴は(1)フォトリソグラフィー技術でパターニングして作成、(2)薄型軽量、(3)充電時の漏えい磁界を低減した、の3点だ。

 (1)のフォトリソグラフィーは、一般的な電子基板上に薄型のアンテナパターンを形成する際にも使われる技術。今回は数十cm角の大きさに同技術を適用できるようにした。

従来のリッツ線利用のコイルと今回のコイルの違い
(図:DNP)

 (2)については、コイルが厚み1.5mm以下のシート状で、従来のリッツ線の束に比べて極めて薄い。コイルはフェライトシートと組み合わせて利用するが、その場合の厚みの合計も3mm以下で、リッツ線を用いた従来の同約12mmの1/4である。重さも従来のSAE J2954-WPT2/Z2規格のコイルとフェライトが合計約4kgだったのに対して、今回は約1kgと1/4になった。

 無線給電システムの搭載を検討する自動車会社の多くは、受電コイルやその周辺回路の重さを低減することに腐心しており、薄型・軽量化に対するニーズは高い。

DNPのコイルを用いたクルマへの無線給電のイメージ
路面側と車両側の両方に薄型コイルシートを実装して利用する(図:DNP)
人とくるまのテクノロジー展2019 横浜での実演の様子(給電されていない)
路面と車両のコイルがずれているために給電されていない
人とくるまのテクノロジー展2019 横浜での実演の様子(給電中)
給電するとクルマが動いてしまうので手で押さえている

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