ホンダは交換式電池パックの事業拡大を目指し、東南アジア諸国連合(ASEAN)で試験運用を進める交換ステーションに加えて、出力用の新型装置を「人とくるまのテクノロジー展2019」(2018年5月22~24日、パシフィコ横浜)で披露した(図1~3)。電池パックの用途を広げてグローバルで普及を促し、生産数を増やしてコストを下げていく戦略だ。

図1 ホンダの交換ステーション(右)と交換式電池パック(撮影:日経 xTECH)
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図2 残量の減った電池パックを回転テーブルに載せて交換する(撮影:日経 xTECH)
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図3 交換式電池パック用の出力装置、1500Wのコンセントを2個、USB端子を2個備える(撮影:日経 xTECH)
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 電池を交換式にして利用者が得られる利点は大きく3つ。(1)車両の非稼働時間を短縮でき連続で使いやすいこと、(2)技術の進歩に合わせて電池を改良して載せ替えやすいこと、(3)1個の電池を多用途に使い回せるため、車両の価格を下げやすいこと――である。これらの利点から世界的に参入が相次ぎ、各社が開発競争を繰り広げている。

 日本勢では、特にホンダが積極的な姿勢を見せている。交換式のリチウムイオン電池パック「モバイルパワーパック(Mobile Power Pack)」を自社開発し、2輪車や超小型電気自動車(EV)をはじめ、家庭用の蓄電システムとして使い回す構想だ。容量は1個当たり約1kWhで、質量は約10kgである。寸法はおよそ縦145×横170×高さ300mm。パナソニック製の円筒型の電池セルを採用している。

 ホンダは現在、ヤマハ発動機やスズキ、川崎重工業といった国内2輪車大手と協議体を組み、電池パックの仕様統一に向けて調整を進めている。そのため今後、電池パックの容量や形状は変わる可能性がある。

6個を同時充電

 ホンダが今回披露したのは、交換ステーションと出力装置など、電池の利便性を高める仕組みの部分だ。「交換ステーションをいかに普及させるかが重要になる」(ホンダの説明員)としている。同ステーションは、回転式のテーブルを2段備えており、各テーブルには90度の角度ごとに1個の電池パックを載せられる。各段で3個の電池パックを同時に充電しながら、1個は受け入れ用として空けておく。つまり、上下段で計6個を同時に充電可能というわけだ。

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