世界最大のディスプレーの学会「SID」。この学会で最も大規模なイベントが、シンポジウムや展示会を中心として、毎年5月または6月に開催される「Display Week」と称する催しである。今年(2019年)は米国サンノゼで2019年5月12~17日に開催され、シンポジウムは5月14~17日の4日間、展示会は同14~16日の3日間にわたって行われた。

 SIDは、学会としてここ数年は年間100万ドル前後の安定した収益を確保している。特に今年(2019年)はDisplay Weekだけで200万ドル近い黒字となっている。理由は、論文数が722件(6%増)、シンポジウム参加者が2309名(5%増)、展示会を含めた参加者総数が7059名(20%増)と確実に伸びているからである(数字はいずれも開会の挨拶で発表されたもの。その後、学会関係者に筆者が聞いたところ、最終的にシンポジウム参加者は約2500名、総参加者数は約7600名に達したという)。今年のDisplay Weekは間違いなく大成功といえるだろう。

 この成功を支えているのが、中国からの参加者数の増大である。中国からの論文発表は、以前はポスター発表に偏っていたが、今では口頭発表が増えた。各セッションの招待講演を中国の企業や大学が発表するのも、ごく当たり前になってきた。

 基調講演では、韓国サムスンディスプレー(Samsung Display)がフォルダブル(折り畳み)ディスプレーの実用化の難しさと、それをいかにして解決したかという地道な技術開発の意義にスポットを当てた、やや玄人向けの発表を行った。これに対し、中国の京東方科技集団(BOE Technology Group)は、「今後のディスプレー業界は我々が率いていくのだ」という意気込みが伝わってくる、全方位戦略の自信に満ちたプレゼンテーションだった。かつての日本メーカーの役割をサムスンが演じ、数年前までのサムスンの役割をBOEが引き継いだように感じた。

 今回の報告では、展示会の様子を取り上げる。今年は、サムスンの展示がなくなった。一方、中国を中心としたパネルメーカーが競い合うように華やかな展示を行い、大変見応えがあった。

会場のサンノゼコンベンションセンター
シリコンバレーは好景気だそうで街には活気があふれていた。(撮影:筆者)
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