米クアルコム(Qualcomm)は、モバイル通信分野のイベント「MWC19」(2019年2月25~28日、スペイン・バルセロナ)開催初日となる同年2月25日に開いた記者会見において、通信事業者や端末メーカーのみならず、米グーグル(Google)や独ロバート・ボッシュ(Robert Bosch)など幅広い業界との“パイプ”を強調した。パソコン向け5Gチップセット、ロボット向けや自動車向けの新製品も相次いで発表、あらゆる産業にかかわり得る5G(第5世代移動通信システム)時代にあって、産業界にエコシステム(生態系)を構築する戦略に乗り出した(図1)。

図1 5G時代には、あらゆる産業にかかわる可能性を語るQualcomm社長
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 今回の会見では、同社製品を使って5Gサービスを2019年に提供する英ボーダフォン(Vodafone)や、Android端末大手でQualcomm製品採用の5G端末を発売する韓国サムスン電子(Samsung Electronics)から幹部を招請した。それに加え、壇上に招いたのはGoogleの幹部だ。5Gによるアプリケーション側の広がりの可能性を示した(図2)。Boschとは、工場のIoT化を進める産業用IoTの研究開発を共同実施することを明らかにした(図3)。

図2 壇上に招かれたGoogleの幹部(右)
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図3 産業用IoTでQualcommとの協力について語るBoschの幹部
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 かつて主要顧客だった米アップル(Apple)との知財訴訟や、半導体の内製を進める中国ファーウェイ(Huawei Technologies)との競合関係などによって、敵を作る印象のQualcommだが、5G時代にあってはエコシステムの構築が重要と考えているようだ。