米クアルコム(Qualcomm)は、モバイル通信分野のイベント「MWC19」(2019年2月25~28日、スペイン・バルセロナ)開催初日となる同年2月25日(現地時間)に開いた記者会見で、5G(第5世代移動通信システム)の主要な処理を担うチップ「Snapdragon 5G Mobile Platform」を発表した(図1)。2019年第2四半期にサンプル出荷を始め、スマートフォンをはじめとする搭載機器は2020年前半に登場する見込みとする。

図1 5Gチップの新製品
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 新製品は、無線通信用デジタル信号処理回路(モデム)に、アプリやAI(人工知能)の処理を担うアプリケーションプロセッサー(既存のSnapdragonシリーズの機能)を1チップに集積している。6GHz未満の周波数を使う「サブ6」と28GHz以上の周波数を使う「ミリ波」に対応する(図2)。世界各国で通信事業者などが計画しているサービスに向けた。無線通信回路の処理を担う同社のチップやモジュールと組み合わせる。スマートフォン以外に、5G利用の無線ルーター(CPE)や産業機器用通信モジュールなど、幅広い機器への応用を見込む(関連記事)。

図2 無線部の製品も用意
左の「Snapdragon」は現行品。
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 新製品は、現行品で既に最大7Gビット/秒のデータ伝送速度でダウンロードが可能であり、「世界最速」(同社社長のCristiano R. Amon氏)という。前日に開催された中国ファーウエイ(Huawei Technologies)の会見を踏まえ、「データ伝送速度(QualcommのSnapdragonの2倍)で世界一という競合企業」に真っ向から反論した。今回発表のチップと無線製品を含む一連の5Gソリューションは、早くも第2世代品となり、Huaweiとの差を見せつけた格好だ。