フィンランドのノキアは2019年2月24日、同25日に開幕する「MWC19」(旧Mobile World Congress)を前に、開催地であるスペインのバルセロナで報道関係者向けのイベントを開いた。

 ラジーブ・スリ最高経営責任者(CEO)は第5世代移動通信システム(5G)の商用化が世界各地で進んでいることに触れ、「5Gはもはや未来のものではなく、ここにある」と宣言。5Gの商用サービスについて複数の通信事業者との契約を発表するとともに、自社の技術力をアピールした。

商用段階に入った5Gをアピールするノキアのラジーブ・スリ最高経営責任者(CEO)
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 韓国の通信事業者KTとはネットワーク機能の仮想化(NFV)とネットワークスライシングの実証実験に向けた覚書を交わしたことを発表した。

 オーストラリアの通信事業者オプタス(Optus)とは、住宅向けの通信回線をワイヤレスで敷設するFWA(Fixed Wireless Access)を使い、4Kのライブ映像を5G回線経由で家庭に配信するサービスを始めたことを発表した。

 英ボーダフォン(Vodafone)とはマッシブMIMOの基地局関連設備を共同開発したことを発表。このうちマッシブMIMOのアンテナは、ノキアが「RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)」と呼ぶSoC(system on a chip)1個で動作するもの。既存のマッシブMIMOのアンテナよりもコストを下げ、5Gの商用環境でマッシブMIMOを大規模に構築しやすいとしている。

 マッシブMIMOの各アンテナ素子から発射する電波を制御するスケジューラーは、機械学習技術を採り入れることで5Gの実効速度を高められるとしている。

5Gの展開地域が広がっていることを示し「5Gはここにある」とアピール
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 この他、ノキアと米インテル、米ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメントは共同で、2019年7月に公開予定の映画「スパイダーマン」の次回作を基にしたVR(仮想現実)のゲームを試作し、MWC会場で披露することを明らかにした。

 会場内の2カ所のブースを5Gで結び、複数の来場者がそれぞれVRゴーグルを介して1つの仮想空間に入る。高速・低遅延という5Gの特徴を生かし、スパイダーマンの映画の世界と同様に、摩天楼のビル群の間を自由自在に飛び回る動作を、複数人が同時でも遅延のない描画で再現されて楽しめるとしている。