札幌市で開催中のデジタル変革をテーマにした大型イベント「札幌デジタルイノベーション 2019」(主催:日経BP)。2日目の2019年7月19日のKEYNOTEには、経済産業省 商務情報政策局情報産業課の和泉憲明氏が登壇した。「DX(デジタルトランスフォーメーション)で『2025年の崖』を越えてデジタル競争の勝者へ」と題して講演し、同省が2018年9月に発表した資料「DXレポート~ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開~」を作成した意図や背景を解説した。和泉氏は同資料の主執筆者の1人。

経済産業省の和泉憲明氏
(撮影:渡辺 可緒理)
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 講演の冒頭、和泉氏は米アマゾン・ドット・コムを例に、「DXの本質は挑戦し続ける企業文化にある」と喝破。「技術と経営戦略をマッピングして競争優位性を確保することがポイント」と続けた。

 続けて外資系クラウド事業者による巨大データセンターの建設ラッシュに言及した。「我々が実感しているよりもクラウド化が進んでいる」と指摘する。「これによりビジネスはサブスクリプションモデルへの移行が急速に進む」とみる。

 さらに、DXの実践例として、米アラスカ航空や宮崎大学医学部などの取り組みを紹介。経営戦略としてソフトウエアに投資することの重要性を強調した。

 最後に和泉氏は「IT投資の8割が現行システムの維持管理に使われている」と日本の現状を危惧。「デジタル競争の覇者となるためには、新しいビジネスへの戦略投資が欠かせない」と訴えた。政府はDXの推進に向けた政策を今後も打ち出していくという。