2019年7月18日、ICTによるデジタル変革をテーマにした大型イベント「札幌デジタルイノベーション 2019」(主催:日経BP)が札幌コンベンションセンターで開幕した。午前10時からのKEYNOTE(基調講演)では、北洋銀行 フィナンシャルマーケティング部 管理役の佐々木勉氏が「北洋銀行が進める“攻め”のマーケティング 〜CRMとiPadを活用した顧客ニーズへの対応〜」と題して講演した。

北洋銀行 フィナンシャルマーケティング部 管理役の佐々木勉氏
(撮影:渡辺 可緒理)
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 同行は2015年4月にCRM(顧客関係管理)システムを刷新し、顧客へのセールスの在り方を抜本的に転換した。セールス回数の増加とセールスの質の向上を実現。併せてタブレット端末のiPadを使ってセールスの事務効率化と機動力向上を果たした。

 具体的にはCRMで取引履歴や属性を分析して顧客の消費傾向を把握し、推奨する商品を決める仕組みを築いた。「お客さまのニーズをキャッチし、セールスのやり方をプロダクトアウトからマーケットインへ転換した」(佐々木氏)。同時に行員が携行するiPadを使って商品の説明から申し込みまでを完結することで事務効率の向上や事務ミスのリスクを低減しつつ、顧客に寄り添った提案セールスを実現した。

 さらにCRMを応用して、これまであまり接触できていなかった準富裕層やアッパーマス層、マス層にアクセスするためアウトバウンドのコールセンターを立ち上げた。「有人チャネルと無人チャネルを連動させることで、金融商品の申し込み率が約5倍に上がった」という。

 「今後はスマートフォンを新たなチャネルにしなければならない」と佐々木氏は力説する。この考えに沿って、銀行のあらゆる機能をスマートフォンで操作できるようにすることを目指す。これらの機能はオープンAPIとして外部に公開する。例えば、コンビニエンスストアのセイコーマートを運営するセコマなどと共同で、キャッシュレス決済の実証実験を進めているという。「金融をプラットフォーム化していく」(佐々木氏)。

 佐々木氏は「今後もFinTechへの戦略的対応を進め、銀行のデジタライゼーションを加速し、生き残りを図る」と宣言して、講演を締めくくった。