「中国のマザー工場で生産設備を設計し、日本を含む世界の拠点で使う。グローバルで同一品質のものづくりを提供したい」。こう話したのはユー・エム・シー・エレクトロニクス社長の内山茂樹氏だ。内山氏は2019年5月22日、「名古屋デジタルイノベーション 2019」(主催:日経BP)の基調講演に登壇。同社のEMS(電子機器受託製造サービス)事業について説明した。

ユー・エム・シー・エレクトロニクス社長の内山茂樹氏
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 同社は埼玉県上尾市に本社を置く。国内のほか、中国、メキシコ、ベトナム、タイに製造や営業の拠点を持つ。従業員は世界で約1万2000人。ここ数年の業績は好調で、2019年度の売上高は前年度比11.0%増の1549億8200万円を見込む。その内訳は「車載機器」が45.2%、「産業機器」が25.7%、「OA機器」が21.3%。「今後、車載機器の割合が伸びる見込みだ」(内山氏)。

 中国の拠点を「マザーファクトリー」と位置付ける。自社で使う「LCA(Low Cost Automation)」と呼ぶ生産設備を中国で設計・製造し、日本を含む世界の拠点で導入を進める。「世界で同じ設備を使うことで、拠点ごとに生じる生産性のばらつきを抑える」(内山氏)のが狙いだ。

 LCAは2011年に開発した「卓上型ロボット」が「第1世代」だ。「LCAはおよそ2年ごとに次の世代へ進化している」(内山氏)。現在の「第4世代」は基幹システムとのデータ連携やモジュール化を進めた。LCAは設計から製造までの全てを中国人の技術者が手掛ける。「現地で毎年30~40人の大卒技術者を採用している」(内山氏)という。

LCA(Low Cost Automation)の進化
(出所:ユー・エム・シー・エレクトロニクス)
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 人材管理にも力を入れる。例えば中国では、700種類の教科書やビデオ教材を用意して従業員を教育しているという。また、日本では新卒を採用していない。「電機メーカーや音響機器メーカーなどで経験を積んだ人材を中途で採用している」(内山氏)。

 加えて、同社が目指すスマートファクトリーに必要な要素として、「スマート物流」や「工程管理」などに触れた。「昭和のスピリッツと平成のテクノロジー、そして令和のコネクテッド&イノベーションを組み合わせていく」。内山氏はこう語って講演を締めくくった。