新工場ではさらにスマートファクトリー化を加速

 DS1での取り組みがちょうど第4次産業革命の流れと同期してきたこともあり、DS2はDS1の課題を踏まえた上でスマートファクトリーの構築を目指した。DS2とDS1で大きく異なるのが、扱う部品の種類が約4000種類とケタ違いに多いこと。そのためさまざまな自動化を行うだけでなく、工場の制御周期も高速化した。「日単位での生産進捗管理を時間単位、分単位に変えるところから進化を遂げている」(一木氏)。

 スマートファクトリーは、スマートマシン、スマートマニュファクチャリングを必須の要素として構成する。DS2ではスマートマシンの活用だけでなく、ロボットを駆使した自動化、IoTを高度に活用する進捗稼働監視をさらに進化させている。

 DS2の部品工場では全部で8台のロボットが稼働しており、従来はオペレーターが行っていた作業の多くを自動化している。DS1の経験に基づき、最大で700kgあるような鋳物の素材を搬送できる可搬重量1.3tを超える大型ロボットを導入。ビジョンセンサーや力センサーなどを装備して各種部品を識別しながら稼働でき、段取り(必要な道具などをそろえておくこと)にもロボットを活用している。

 DS1では24時間7日間稼働だが、自動化といっても段取りステーションで人が素材の取り付けや加工品の回収などをしている。この方式では週末の稼働時に休日出勤する人手が掛かってしまう課題があった。働き方改革の側面からも「DS2は、金曜日の午前から月曜日の午前までの72時間を無人で稼働できる工場を目指すことにした」(一木氏)。

DS1のコンセプトを進めて究極の工場に
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 4台の横型マシニングセンターで構成されたFMS(フレキシブル・マニュファクチャリング・システム)セクションでは、ロボットが自動着脱する段取りステーションが設置されている。扱う部品のほぼ半数以上が1カ月に1個加工するかしないかといった非常に小さいロットのため、こうした部分もロボットで自動化したい。ただしそのためには段取り替えも含めて自動化する必要がある。センサーによる細かい制御も必須だ。鋳物の大物部品をつかんだ際に、素材の表面の状態や形状によるバランスの悪さなどによって傾いたり落としてしまう危険性があるからだ。3Dビジョンセンサーを使って位置の補正や傾き補正を割り出し、油圧治具に確実に供給して事故を防ぐしくみを導入している。

 DS1ではボルトで加工物を治具に固定する作業を人が担っていたが、DS2はここも自動化した。「ナットランナー(ナット自動締結機)を使って自動化したり、バリ取りにもロボットを活用したりした。また、部品の搬送でも無人搬送車や無人フォークリフトを使っている」(一木氏)。